新型コロナウイルス感染症へのMSFの対応【最新情報】

2020年03月30日掲載

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、国境なき医師団(MSF)は各地で緊急医療援助活動を展開しています。より多くの人びとに医療援助を届けるため、3月26日から新型コロナウイルス感染症危機対応の寄付の受け付けを開始しました。ぜひご協力ください。

ベルギーの首都ブリュッセルに特設された医療テントで、 感染疑いのある移民の医療援助にあたるMSFスタッフ © Joffrey Monnier/MSFベルギーの首都ブリュッセルに特設された医療テントで、 感染疑いのある移民の医療援助にあたるMSFスタッフ © Joffrey Monnier/MSF

新型コロナウイルス感染症に対応中
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例えば5000円で 医療用防護マスク42枚を提供できます。 
※国境なき医師団への寄付は税制優遇措置(寄付金控除)の対象となります。

各地でのMSFの主な活動

イタリア

© Lisa Veran/MSF© Lisa Veran/MSF

MSFはロンバルディア地域において、最初に集団発生があった3つの病院で感染制御にあたっている。病院外ではアウトリーチ活動を行い、家で隔離生活を送る人々を支えるかかりつけ医や医療従事者を支援。また、最も影響を受けている5つの地域の1つであるマルケ州でも活動を開始した。

さらにMSFは、複数の都市において老人施設のネットワークを支援。患者をケアできる専門の医療従事者がいない場所で感染が広がるのを防いでいる。現在イタリアでは、約30人のMSFスタッフが対応にあたっている。

関連情報:
新型コロナウイルス:医療者への感染拡大を防ぐ イタリア、緊急援助の現場から(2020年03月26日掲載)

スペイン

© Olmo Calvo/MSF© Olmo Calvo/MSF

マドリード周辺で、既存の病院の混雑を緩和するため、2つの仮設病院を設置。医療従事者と患者を保護するため、感染予防管理の助言にあたっている。

また、高齢者施設を管理する運営委員会に協力し、施設の中で感染を防ぐための方策を助言している。

ベルギー

© Joffrey Monnier/MSF© Joffrey Monnier/MSF

病院の受け入れ能力を上げるための支援や、高齢者施設へのサポート、また、ホームレスや非正規移民など、脆弱な立場に置かれた人びとへの支援を展開。

計7つの施設において、人的な協力や技術的な助言、物資の提供を行っている。

フランス

 © Agnes Varraine-Leca/MSF © Agnes Varraine-Leca/MSF

パリとその周辺地域で、ホームレスや移民など、特に脆弱な立場に置かれた人びとを支援。移動診療と、感染疑いの検査を行っている。

3月24日現在、700人がパリ近郊のオーベルビリエのキャンプから避難。避難した人びとは、パリとイル=ド=フランス地域圏にある様々な緊急避難所に送られた。 MSFはこれら緊急避難所の一部で活動。健康状態を確認し、感染の疑いがある人を特定している。

【動画】新型コロナウイルス感染症:フランスでの医療援助 特に弱い立場の人びとへ支援を(2020年03月27日掲載)

スイス

© Nora Teylouni/MSF© Nora Teylouni/MSF

ジュネーブにおいて、弱い立場に置かれた人びとが暮らす地域の1300世帯を対象に、衛生面でのサポートを提供。

ジュネーブ大学病院にも医療チームを派遣し、医学的な知見を共有するとともに、症例管理や医療チームのマネジメント、遺体の管理などのサポートにも携わっている。 

ノルウェー

国内の主要なクラスターの1つに位置し、国内の新型コロナウイルス感染症入院患者の10〜12%を収容する病院において、戦略的な助言と感染予防管理のサポートを行っている。 

ギリシャ

🄫 Anna Pantelia/MSF🄫 Anna Pantelia/MSF

サモス島では、軽症患者の隔離を支援。緊急準備チームは1次医療を支援するほか、診療所などの入り口で患者のスクリーニングをサポートしている。また、レスボス島のモリア難民キャンプでの感染流行に備えて、緊急時の対応を定めた。

関連記事:
「新型コロナウイルスまん延危機——ギリシャの難民キャンプから早急に人びとの退避を」(2020年03月13日掲載)

中東

■パレスチナ・ガザ地区
3月21~22日に2例の感染が確認されたガザ。通常の活動を停止し、症例管理をサポートする。

■シリア
アザーズとイドリブで、感染患者の特定方法や、患者を隔離する場所の設置方法、患者の流れなどに関する研修と技術支援を提供。

■ヨルダン
感染患者を受け入れるために、本来とは異なる目的で使用される可能性があるため、病院でのオリエンテーションを再実施。

■イラク
集中治療室での治療ではなく、中程度の症例に焦点を当てた症例管理を実施。バグダッドの新型コロナウイルスセンターで、感染予防管理を向上させるための活動にも取り組んでいる。

■イエメン
患者の隔離施設設置のため、アデンの保健省を援助している。 

香港(1月末~)

© Shuk Lim Cheung/MSF© Shuk Lim Cheung/MSF

感染リスクの高い集団を対象に、感染予防の啓発講習を20回以上実施したほか、精神衛生面でのニーズに応じるため、ストレスや精神的不安に対処する講習も開始した。

このほか、ストレスや不安に対処するため動画や、新型コロナウイルス関連で流布されている虚偽情報を打ち消す動画も制作している。さらに、「ストレスと不安への対応」に関する4つのワークショップを実施し、メンタルヘルスのニーズに応えた。

関連情報:
【動画】新型コロナウイルス MSFが香港で活動(2020年2月21日掲載) 

アフガニスタン

新型コロナウイルスに対応する基幹病院でもあるカブールのアフガン・日本病院では、MSFの調査後、感染予防管理のトレーニングを提供。またヘラートでも、症例管理のサポートを検討している。 

パキスタン

ティメルガラにおいて隔離病棟を運営。外来診療、救命救急、母子保健病棟などでのスクリーニングも実施。 

中国(2月)

© MSF© MSF

新型コロナウイルス感染症が最初に報告された中国。医療用の保護具3.5トンを武漢の病院に提供し、最前線で重症・重篤患者の治療にあたる医療従事者を支援。

カンボジア

© MSF© MSF

 医療従事者向けに感染予防や感染者対応に関する研修を実施。

関連記事:
新型コロナウイルス 医療体制が脆弱な国々での流行に備える(2020年3月6日掲載)

パプアニューギニア

医療従事者向けに感染予防や感染者対応に関する研修を実施。 

中南米

■ブラジル
サンパウロ、リオデジャネイロ、ミナスジェライスの3地域で、特に脆弱なグループに焦点を当て、医療スタッフが感染から保護されているかを調査している。

■エルサルバドル
保健省と連携して新型コロナウイルスに対応。新型コロナウイルス以外の患者にも対応するため、救急車のサービス範囲と患者収容数を増やした。また、近隣地域での移動診療や、在宅ケアへの切り替えなどにも対応している。
米国やメキシコから強制送還された人びとに対しては、宿泊施設に隔離した上で、感染予防管理、診察や治療などの必要性の見極めを行っている。 

アフリカ

■南アフリカ共和国
ハウテン州、クワズールナタール州、西ケープ州の4つのプロジェクトすべてで、既存の活動スタッフを新型コロナウイルス対応にあてている。 MSFのスタッフは、接触者の追跡や、保健教育用資料の開発と普及、医療施設の移動を支援。現在、トリアージや患者の隔離、治療などについて提携する計画を立てている。
 
西アフリカ
3月27日時点で、アフリカの54カ国の内43カ国で感染が確認されている。西アフリカで感染が確認されていないのはシエラレオネのみとなった。ブルキナファソ、セネガル、カメルーンはこの地域の中で特に多くの症例が出て、すでに国内感染の段階になっており、対応の準備が難しい状況だ。
 
■ブルキナファソ
必要に応じて、ファダヘルスセンターでの患者のサポートを実施。保健省スタッフのトレーニングや、 定期的な活動と健康増進の一環としての監督なども担っている。
 
■カメルーン
当局がMSFに、南西部の2地域にある病院のサポートを要請。 医療施設の外で隔離のための施設を探している。
 
■マリ
MSFは、首都バマコで、新型コロナウイルス施設の管理をサポートしている。同施設は、MSFが既に腫瘍プログラムを運営している病院の敷地内にある。8床の集中治療病床と100人の国内避難民収容体制を保健省が確保。MSFはチームを派遣している。
 
■コートジボワール
最大都市アビジャンで、MSFは保健省のトランジットセンターを支援。新型コロナウイルスの症状のある人をスクリーニングしてケアセンターに送っている。 ブアケでは、医療従事者向けのトレーニング活動と、市内への複数のエントリーポイントでスクリーニングを実施中。 
 
■リビア
トリポリの病院において、看護師と医師に感染予防管理に関するトレーニングを実施。

世界70カ国での活動を維持することが最重要課題

MSFは現在、世界約70の国と地域で440あまりの医療人道援助プログラムを行っている。今回のような新たな感染症の世界的な流行の中でも、すでに何らかの人道危機の下に生きる人びとに対する通常の活動を維持することは非常に重要だ。しかしながら、世界各国における入国・渡航制限によりMSFスタッフの国家間の移動が難しくなっていること、また、医療用消耗品、特に医療スタッフ用保護具の世界的な不足が、医療援助活動の継続に大きな障害となっている。

MSFは現在の継続中の活動地でも、感染予防を中心に、新型コロナウイルスの流行への対策を進めている。今後感染者が出る可能性が高いと思われる場所では、感染予防策を導入し、患者のスクリーニングとトリアージ態勢の確立、隔離区画の確保と維持管理、保健教育の徹底が必要だ。MSFは、世界保健機関(WHO)および各国保健省と連携し、感染者が増えた場合どのような援助ができるか検討を重ねている。

今求められるのは

医療従事者の安全確保は、あらゆる医療機関で最優先事項とみなすべきだ。大勢の患者によって機能が麻痺した病院や診療所では、保護具の供給不足や、医療従事者の感染によりスタッフが減る事態にも対処していく必要がある。

MSFは、新型コロナウイルス感染症への対応に緊急に必要な医療ツールが、必要とする人にとって利用しやすく、購入しやすく、入手できる状態になるよう求めている。政府、製薬会社、そして、治療薬や検査ツール、ワクチンを開発している研究機関は、下記のために必要な措置を講じる必要がある。

■医薬品の生産と手頃な価格での販売が、特許と独占によって妨げられないようにする。
■既存の医薬品を新型コロナウイルス感染症に転用する際は、これまでその医薬品を使ってきた患者が治療を続けられるようにする。
■感染防護と治療のための医療物資は、最前線の医療従事者を優先する。 
■必須医薬品の供給が脅かされるリスクがないか監視し、必要に応じて国際協調を通した 影響緩和策を調整できるよう、透明性と連携において改善を図り、エビデンスに基づいたアプローチを徹底する。 

これまでの情報

・2020年02月05日掲載 新型コロナウイルス感染拡大への国境なき医師団の対応について
・2020年02月14日掲載 新型コロナウイルス感染拡大への国境なき医師団の対応について
・2020年02月21日掲載 【動画】新型コロナウイルス MSFが香港で活動
・2020年03月06日掲載 新型コロナウイルス 医療体制が脆弱な国々での流行に備える
・2020年03月13日掲載 新型コロナウイルスまん延危機——ギリシャの難民キャンプから早急に人びとの退避を
・2020年03月18日掲載 新型コロナウイルス感染症へのMSFの対応
・2020年03月19日掲載 新型コロナウイルスが突きつけるMSF医療援助活動の課題
・2020年03月19日掲載 新型コロナウイルス感染拡大:MSF、欧州やイランなどで活動開始
・2020年03月23日掲載 新型コロナウイルス緊急医療援助:エアーテント式治療ユニットと共に医療チームをイランへ派遣
・2020年03月26日掲載 新型コロナウイルス:医療者への感染拡大を防ぐ イタリア、緊急援助の現場から
・2020年03月26日掲載 国境なき医師団日本 新型コロナウイルス感染症危機対応の寄付募集を開始
・2020年03月27日掲載 【動画】新型コロナウイルス感染症:フランスでの医療援助 特に弱い立場の人びとへ支援を 

イタリアの病院で感染制御と患者の治療を支援 © Lisa Veran/MSFイタリアの病院で感染制御と患者の治療を支援 © Lisa Veran/MSF

国境なき医師団(MSF)とは

国境なき医師団は、紛争や災害、貧困などによって命の危機に直面している人びとに医療を届ける国際的な民間の医療・人道援助団体です。

・医療援助活動
活動地は、シリアやアフガニスタンなどの紛争地や、貧困により医療が不足している地域、自然災害の被災地、感染症が流行する地域など。医療を受けられない人々のために、約4万7000人のスタッフが世界70カ国以上で活動を行っています。

・「独立・中立・公平」な立場
活動資金の9割以上が民間からの寄付に支えられていることにより、中立な立場での援助活動を実現。政治などの干渉を受けることなく医療を提供します。寄付収入や配分先などを掲載した、年間の活動報告書はこちら

・証言活動
医療援助だけでは人道的危機が改善しない場合、その現状を国際社会に広く知らせる証言活動もします。こうした活動が認められ、1999年ノーベル平和賞を受賞しました。

寄付控除、税制優遇措置

認定NPO法人である、国境なき医師団日本への寄付は税制優遇措置の対象になります。所得税、法人税、相続税、一部の自治体の住民税の優遇措置を受けられます。詳細はこちら 

新型コロナウイルス感染症に対応中
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新型コロナウイルス感染症への医療援助活動および感染症拡大の影響に伴うその他の援助活動に使途を限定した寄付の募集を、3月26日より開始しました。ぜひご協力ください。

支援でできること一例:
3000円で 医療用防護服1着を提供できます。
5000円で 医療用防護マスク42枚を提供できます。
1万円で  耐溶剤手袋21双を提供できます。

※外国為替により変動します。

受付方法:
■オンライン
支援対象から「新型コロナウイルス感染症危機対応募金」を選択してください。
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■ゆうちょ銀行
口座番号:00190-6-566468
加入者名:特定非営利活動法人国境なき医師団日本
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■電話
0120-999-199 通話料無料(平日9:00~18:00/土日祝日、年末年始休業)
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本募金で集められた資金は、MSFが世界各地で行う新型コロナウイルス感染症の緊急援助活動と感染症拡大の影響に伴うその他の援助活動に割りあてられます。この活動に必要な資金を上回る寄付が寄せられた場合は、その他の緊急援助活動にあてられます。また、活動状況や資金調達状況に応じて、本募金の受付を予告なく終了する場合があります。

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