新型コロナウイルス:感染拡大が止まらないインドで仮設病棟を新設

2020年06月23日掲載

新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるためMSFがインドに新設した100床の仮設病棟 © Garvit Nangia/MSF新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるためMSFがインドに新設した100床の仮設病棟 © Garvit Nangia/MSF

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が急速に拡大しているインド。北東部にあるビハール州は医療体制が特に脆弱なため、必要な治療が行き渡らないことが懸念されている。国境なき医師団(MSF)は6月18日、州都のパトナに100床の仮設病棟を開設した。

公的機関とパートナーシップを組み、パンデミックに立ち向かう

MSFが運営するこの病棟は、パトナ屋内スタジアムにあるスポーツ複合施設を改修し、設置された。まず軽症・中等症患者を中心に治療を行い、陽性が確定した患者を隔離することで、この地域の感染拡大を抑える狙いだ。

MSFはビハール州政府や保健機関と連携し、搬送された患者を受け入れていく。州政府が運営する指定病院が重症・危篤患者への治療に専念できるよう、混雑を緩和させることでサポートする。

さらに同病棟にいる180人のMSFスタッフは、入院治療、健康にまつわる教育、心理的ケア、軽症者への治療に必要となる医薬品の確保なども行う予定だ。

「緊急事態への対応こそMSFの核となる活動です」。そう話すのは、MSFアジア地域活動責任者で医師のプリンス・マシューだ。「私たちが持つ感染症対策の知識と経験を投入し、ビハール州での新型コロナウイルス感染症の減少に取り組みます」

「このパンデミック(世界的流行)は誰にでも関わることです。幅広いチームワークによる対応が欠かせません。州の保健機関と協力し合うことで、治療できる人数を増やし、人命を救い、そして感染を防ぐことも可能となるのです」

各部門のリーダーは毎日のミーティングで感染予防の手順を確認する © Aahana Dhar/MSF各部門のリーダーは毎日のミーティングで感染予防の手順を確認する © Aahana Dhar/MSF

インドの新型コロナウイルス感染者数は、6月17日時点で35万4000人を超えた。3月初旬に移動制限が始まり、ここ数週間は感染拡大の勢いが多少和らいだものの、今後も増加の傾向が予測されている。ビハール州は、同国内でも特に流行リスクが高いとされる地域の1つ。何百万人もの人びとが、他州での出稼ぎから帰省したからだ。

「パンデミックが起きているいま、すべての人びとが団結してこのウイルスに立ち向かわなければなりません」とビハール州のマンガル・パンディ保健大臣は訴える。

「パトナに仮設病棟を建てて、新型コロナウイルスの感染者を無償で治療する。それはまさに意義ある貢献の好例で、ビハール州はこうしたMSFの活動を支持するばかりです」

インドで現在、新型コロナウイルス感染者数が最も多いとされるのは、マハーラーシュートラ州だ。MSFは、過密なスラムがあるムンバイのゴバンディ地区で、感染対策と給排水・衛生設備の改善に乗り出した。また今後の計画として、感染患者への治療活動も始めることになっている。

スタッフの感染予防対策はMSFが最も重視することの一つ  © Garvit Nangia/MSFスタッフの感染予防対策はMSFが最も重視することの一つ  © Garvit Nangia/MSF

関連情報