危機にさらされている命を守る、医療・人道援助活動
国境なき医師団(MSF)は、紛争や自然災害、貧困など、さまざまな理由で命の危機にさらされている人びとに、無償で医療・人道援助を届けています。
紛争地
負傷者への手術など外科治療のほか、心に傷を負った人たちへの心のケアも行っています。
難民・国内避難民
紛争や暴力から逃れてきた人びとが集まるキャンプでの診療のほか、水や食料など物資を提供。
自然災害
いち早く被災地へ入り、地震や台風、洪水などで被害を受けた人びとへ援助を届けます。
人道危機を社会に訴える証言活動
医療援助と同時に、現地で目の当たりにした人道危機の現実を社会に訴える「証言活動」も、MSFの使命です。人びとが受けている人権侵害や暴力行為を国際社会に訴え、医療だけでは変えられない問題の解決につなげます。
また、健康に生きるために必要な医療を誰もが受けられるよう、薬や治療法、診断法、ワクチンなどの開発と利用の促進を国際社会に求める「アクセス・キャンペーン」を行っています。
活動を支えるしくみ
世界中で迅速な医療・人道援助活動を行うために、MSFには医療面のみならず、物流や研究開発の面でも活動を支えるしくみがあります。また、現場の課題解決のためにイノベーションを促進しており、日本事務局ではジャパン・イノベーション・ユニットが課題解決のサポートを行っています。
物流センター
フランスのボルドー、ベルギーのブリュッセル、オランダのアムステルダム、ケニアのナイロビ、アラブ首長国連邦のドバイに、独自の物流拠点「MSFロジスティック」があります。
医薬品や外科キット、テント病院キット、毛布などの物資を、すぐに発送できるよう通関済みの状態で保管。必要に応じてチャーター機も使って現場へ迅速に届けます。
医療ガイドライン
MSFは活動地で医療行為を行う医療者をサポートするため、複数の言語で医療ガイドラインを作成。ガイドラインはMSFの活動地での実践、世界保健機構、医学・科学雑誌などから収集した科学的データに基づき、定期的に更新されています。
エピセンター
エピセンターは、疫学・医療研究、イノベーション、トレーニングに特化した専門機関です。研究・トレーニングなどの専門知識を提供することで、世界の人道危機の現場で活動するMSFを支えています。
DNDi
DNDi(Drugs for Neglected Diseases initiative:顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ)は、最も顧みられない病気に苦しむ患者さんに、安全で有効かつ手頃な価格の治療薬を発見、開発、提供する国際的な非営利組織です。ノーベル平和賞の賞金の一部をもとにMSFを含む7つの組織によって設立されました。
活動報告書
全世界での活動の概要とともに、MSF日本のスタッフ派遣実績や寄付収入、財務の詳細などをご報告しています。現地からの声も掲載。2005年度版以降の報告書PDF版と、財務報告を抜粋した資料をダウンロードできます。
- ©Pablo Tosco/Angular