エボラ病(エボラ出血熱)

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基本情報

どんな病気?

ウイルス性の感染症です。「オルソエボラ・ウイルス属」に属するウイルスの種類であるエボラ・ウイルス、スーダン・ウイルス、ブンディブギョ・ウイルスによって引き起こされます。

最も一般的なのはエボラ・ウイルスで、致死率は25%から最高で90%程度に達することもあります。

一方、2026年5月からコンゴ民主共和国(以下、コンゴ)とウガンダで流行しているのは、ブンディブギョ・ウイルスです。致死率は約25〜40%と推定され、他のウイルスと比べると低い傾向にあります。

初期症状は発熱やのどの痛みなどで、多くの病気と症状が似ており、診断を難しくしています。その後、下痢や嘔吐などの症状が現れ、出血症状を伴う場合もあります。加えて、中枢神経系への影響により、混乱、神経過敏、攻撃性などが生じることがあります。

流行地域

エボラ・ウイルスによるエボラ病は、1976年にスーダン(現・南スーダン)とザイール(現・コンゴ)で初めて確認されました。

2014年2月、西アフリカのギニアで流行が始まり、シエラレオネ、リベリアナイジェリア、セネガル、マリへと拡大しました。2016年までに数百人の医療従事者を含む1万1300人以上が死亡し、もともとぜい弱だった各国の医療体制は壊滅的な打撃を受けました。また、コンゴでは2018年3月以降、流行が相次いで発生しています。

一方、ブンディブギョ・ウイルスによるエボラ病は、2007年にウガンダ西部ブンディブギョ地区で初めて確認され、2012年にはコンゴで流行しました。

2026年5月の流行は、コンゴ・イトゥリ州のモングワル保健区域から始まり、5月24日現在、同国では疑い例906件(死亡223件)、確定例105件(死亡10件)、ウガンダでは8件の症例が確認されています。

感染経路

感染者の体液や体液が付着した表面への接触、感染者の遺体に直接触れることなどによって感染します。また、ウイルスに感染しているコウモリや霊長類などの体液や血液の接触によっても、引き起こされるとされています。

治療

エボラ・ウイルスによるエボラ病は、ごく最近まで予防や治療の手段はありませんでしたが、現在はワクチンと治療薬、および診断に用いる簡便なPCRキットが存在します。

一方、ブンディブギョ・ウイルスによるエボラ病には、既存のエボラ・ウイルス向けの治療法やワクチンは認可されておらず、早急な開発が望まれています。

どのウイルスに感染しても、水分や栄養の補給、熱・痛み・下痢・嘔吐などへの対症療法はとても重要です。

予防

2014~2016年に西アフリカで発生したエボラ・ウイルスによるエボラ病の流行を受けて、感染拡大の抑止に有効な数種のワクチンが開発されました。 

世界保健機関(WHO)は現在、エボラ・ウイルスに対するワクチンとして「Ervebo」(メルク社)を承認しており、アウトブレイク対応の一環として推奨されています。 
 
また、感染予防には 
・患者を隔離施設で治療する 
・感染者との接触歴があり、体調のすぐれない人を特定して保護する 
・安全な埋葬を執り行う 
・治療と埋葬の際には、個人防護具を着用する 
といった対策が欠かせません。感染リスクや予防策、症状が見られる場合の対処法などについての周知活動も重要です。

一方、ブンディブギョ・ウイルスには、未だ承認されたワクチンがありません。診断においても、簡便なPCRキットはなく、 煩雑で高度な技術を要する従来型のPCR検査に頼らざるを得ない状況です。そのため症例の確定に時間を要し、接触者の追跡や患者隔離といった感染対策の実施にも遅れが生じています。

WHOはブンディブギョ・ウイルスに向けたワクチンや治療薬の緊急治験、および診断に用いるPCRキットの迅速な認証について検討を進めています。

コンゴ民主共和国のエボラ病治療センターで、回復し退院する女性(中央左)と抱擁を交わすMSFスタッフら=2025年9月16日 Ⓒ Sylvie Jonckheere/MSF
コンゴ民主共和国のエボラ病治療センターで、回復し退院する女性(中央左)と抱擁を交わすMSFスタッフら=2025年9月16日 Ⓒ Sylvie Jonckheere/MSF
ウガンダで、エボラ病に関する正しい情報を住民に伝えるMSFのヘルスプロモーター=2022年10月26日 © MSF/Sam Taylor
ウガンダで、エボラ病に関する正しい情報を住民に伝えるMSFのヘルスプロモーター=2022年10月26日 © MSF/Sam Taylor

写真上:コンゴ民主共和国のエボラ病治療センターで、防護服に身を包むMSFスタッフら=2022年5月5日 © MSF

更新:2026年6月1日

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