イラン
イランでの国境なき医師団(MSF)の活動は
国境なき医師団(MSF)はイランで、難民・移民、性労働者など、医療につながりにくい人びとへ必要な支援を届けてきました。さらに、2026年2月に激化した米国とイスラエルによる攻撃により、イランの医療体制は深刻な危機にさらされており、MSFは援助を拡大しています。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、イラン国内には立場の異なる避難民が約450万人いると推計しています。そのうち260万人はアフガニスタン人ですが、公式に難民登録されているのは75万人に過ぎません。 多くは都市部で暮らしているものの、難民・移民として偏見や社会的な排除に直面しており、必要な医療を受けにくい状況が続いています。
アフガニスタンとの国境に近いイラン第2の都市マシャドでは、移動診療を通じて診察や感染症の検査を実施。さらに南に位置するケルマン市では、アフガニスタンの難民・移民を対象に、基礎的な医療や専門医療へ紹介する活動を行っています。
紛争対応で支援を強化
2026年2月に激化した紛争では、病院や診療所、救急車、製薬工場などが攻撃を受け、損傷しました。5月4日時点で、世界保健機関(WHO)はイランでの医療への攻撃を26件確認しています。
イランは国内製造の医薬品への依存度が高いため、製薬施設への被害は医薬品へのアクセスに直接的に影響します。さらに、イラン政府や関係機関が外傷治療に重点を移したことで、基礎医療サービスも大きく妨げられました。停戦下で状況は徐々に改善しつつあるものの、多くの人びとは基本的な医療へのアクセスに苦労しています。
MSFは性と生殖に関する医療や感染症の治療、慢性疾患の管理、専門医療への紹介、そして心のケアなどを提供し、紛争下でも続く「見えにくいニーズ」に対応するための活動を拡大しています。
また、激しい爆撃により一時停止となっていたテヘラン南部の診療所を再開し、負傷者を受け入れ、重篤な患者を安定化させる高度医療拠点として運営しています。停戦以降、この診療所での診療件数は倍増しています。
4月29日にはテヘラン南部に2カ所目の診療所を新たに開設し、基礎医療へのアクセスのさらなる拡大に努めています。
© Sacha Petiot-Smigieski/MSF
更新:2026年6月10日
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