リビア

リビアでの国境なき医師団(MSF)の活動は

リビアでは多くの難民・移民、保護希望者の多くが極度の暴力や虐待を経験し、深刻な医療・保護ニーズを抱えています。

国境なき医師団(MSF)はこうした人びとに対し、リビア保健省とも協力しながら、基礎医療や心身のケアを含む不可欠な支援を続けてきました。 2024年には1万5000件以上の診療、3000件の心のケア、2000件の結核診療を実施しました。

また、トリポリ近郊にある収容施設への立ち入りを再開。理由や期限が示されないまま拘束されている難民や移民に対し、週1回の基礎医療と保護支援を実施しました。

さらに、沿岸都市ズワラーでは、欧州へ向かう途中で海上で捕らえられ、リビアへ連れ戻された人びとへの救急医療にも取り組みました。

しかし、リビア当局側の態度が大きく変わり、これまでのような活動の継続が困難な状況に置かれています。

2025年3月、リビア治安機関はMSFの施設を閉鎖したうえ、複数のスタッフを取り調べ、活動の停止を命じました。MSFだけなく、リビア西部で活動する九つの人道援助団体も同様の弾圧を受けています。

その約半年後には、リビア外務省から国外退去を命じる書簡も送付されました。理由は示されておらず、手続きも不透明なままです。

MSFは、こうした状況で取り残される患者や、これからリビアにたどり着く人びとの健康への影響を強く懸念しています。引き続き、リビア当局に対話を求めるとともに、国内にいる難民や移民のため、安全で合法的な移動経路を確保する必要性を訴えます。 

© Nasir Ghafoor/MSF
更新:2025年12月19日

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