ハイチ

ハイチでの国境なき医師団(MSF)の活動は

長年にわたる政情不安に加え、首都ポルトープランスを中心としたギャングの抗争が続くハイチ。武力衝突、強盗、誘拐などの慢性的な暴力は人びとの心身をむしばみ、医療へのアクセスも困難にしています。

2024年2月、以前は対立関係にあった武装集団が結束。2023年に結成された同盟「ヴィヴ・アンサンム(共に生きる)」に集まり、政府や公共機関、インフラ施設への攻撃を強めたことで状況はさらに悪化しました。国連がハイチで武装集団による暴力の記録を始めて以来、2024年1~3月は最も死者の多い期間となりました。

国境なき医師団(MSF)は3月、ポルトープランスに外傷治療センターを開設し、銃創や刺傷、やけどの負傷者を治療するなど活動を続けました。

しかし重大な安全上の脅威に直面し、活動が中断させられる事態が相次ぎました。11月中旬にはMSFの救急車が襲われ、搬送中の患者2人が殺害、同乗していたスタッフも暴行を受けました。MSFは同月下旬に首都での大半の活動を一時停止せざるを得ず、重要な医療へのアクセスはさらに制限されました。翌12月中旬に一部の活動を再開しました。

武装集団の抗争が続くなか、性別・ジェンダーに基づく暴力(SGBV)も急増しています。MSFは2015年以来、クリニックで被害者に対して包括的な医療と心のケアを提供してきました。また、2024年からは首都の南西に隣接するカルフール地区の産科病院と、首都近郊の都市シテ・ソレイユで新しく始めたプログラムでも同様の支援をしています。

© Johnson Sabin
更新:2025年12月17日

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