ブラジル

活動の概要

国境なき医師団(MSF)がブラジルで活動を始めてから、30年近くがたつ。開始当初はアマゾン地域でのコレラ流行に対応するためであったが、以来、全国の先住民族、移民、スラム住民、社会環境大災害の被害者の健康を支えてきた。

多様で人口の多いブラジルは、広大な国土によって医療事情も異なるため、2020年には新型コロナウイルス感染症の世界第2位の感染国となり、年末までに20万人近くがこの病気で死亡した。MSFは、この国で過去最大の活動を展開し、ブラジル人を中心とした数百人のスタッフが7つの州でプロジェクトを運営。集中的な現地活動に加えて、衛生管理やソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保など、対策の重要性を発信した。

2月にサンパウロ市で最初の症例が報告されると、最富裕層の居住地から比較的貧しい地域にも流行が拡大。これを受けてMSFは、4月に都市部のホームレスに焦点を当てた活動を開始。その後、需要の増加に伴い、サンパウロ市中心部で地方当局が運営する隔離センターでも支援を実施した。

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市の東部では、重症患者の治療体制を強化するため病院にチームを派遣。また、包括的な健康教育活動、接触先調査と検査などのサポートを実施した。

新型コロナウイルス感染症の流行以前から医療資源不足に悩まされていたアマゾナス州の州都マナウス市では患者が急増したため、MSFは病院で重症患者用の48床を管理。

またベネズエラからの移民が多い北部のロライマ州では、通常医療を維持しつつ、スクリーニングや健康教育活動を開始した。

マット・グロッソ・ド・スール州では、先住民を対象としたスクリーニング、健康教育、給水設備の改善などを行った他、アキダウアナ市の地域病院で治療プロトコルと感染予防・制御策を強化。

MSFはウイルスの変異状況を監視し続け、ブラジルにおけるパンデミックのパターン把握に努めた。全容把握には至らなかったが、1年間で得た教訓を生かしながら、変化に対応した。

MSFは1991年にブラジルで初めて活動。2020年にはスタッフ125人が活動し、550万ユーロ(約6億7000万円)を支出した。

(2020年報告)

活動の実績

新型コロナウイルス外来診療件数 6,490
新型コロナウイルス入院対応件数 1,080

(2020年実績)

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