母子保健・女性の健康

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基本情報

母子保健

MSFが支援するコンゴ民主共和国の病院で、初めての子どもを<br> 出産した女性 © Marion Molinari/MSF
MSFが支援するコンゴ民主共和国の病院で、初めての子どもを
出産した女性 © Marion Molinari/MSF
出産時や妊娠に関連する合併症で亡くなる女性の約99%は、開発途上国で暮らしています。そして、その多くの死は本来防ぐことができるものです。

紛争下や自然災害、感染症の流行、HIVの治療プログラムなどあらゆる場面で、女性には特有の医療ケアが必要です。また、こういった緊急時においても、国境なき医師団(MSF)はリプロダクティブ・ヘルスケア(性と生殖に関する医療)を不可欠な活動と位置づけ、提供しています。

さらに、アフガニスタンや中央アフリカ共和国など妊産婦死亡率が非常に高い地域では、女性向けに特化したプロジェクトを展開しています。

産科医療

ハイチのMSF緊急産科センターで、帝王切開で生まれた<br> 我が子を見つめる女性 © Shiho Fukada/Panos
ハイチのMSF緊急産科センターで、帝王切開で生まれた
我が子を見つめる女性 © Shiho Fukada/Panos
妊産婦死亡の多くは、出産の直前・最中・直後に起きています。合併症を抱える妊産婦にとって、資格を持つ医療スタッフに迅速にアクセスできるかどうかが命を左右します。

MSFは、女性が出産時に必要な医療を受ける際に直面する以下「3つの遅れ」の解消に取り組んでいます。
・医療を受けようと決断するまでの遅れ
・医療施設に到着するまでの遅れ
・施設に着いてから適切な治療を受けるまでの遅れ

緊急の産科医療や新生児医療に加えて、産前産後ケアや避妊サービスも提供しています。

感染症が妊産婦に与える影響

MSFが支援する産科医療の病院に訪れた<br> 中央アフリカ共和国の女性たち © Arlette Bashizi
MSFが支援する産科医療の病院に訪れた
中央アフリカ共和国の女性たち © Arlette Bashizi
感染症は、特に妊娠後期の女性に大きな危険を及ぼします。

妊婦はマラリア感染の影響が大きく、死亡、流産、死産のリスクが高まります。MSFのプロジェクトでは、産前ケアを受ける女性の半数近くがマラリア陽性となることもあります。

また、E型肝炎は妊婦の致死率が特に高く、妊娠後期では25%に達することがあります。さらに、コレラに感染すると、早産や産科合併症につながるケースもがあります。

性暴力

性暴力の被害に遭ったことを<br> MSFスタッフに打ち明けるハイチの女性 © MSF
性暴力の被害に遭ったことを
MSFスタッフに打ち明けるハイチの女性 © MSF
2024年、MSFは7万3800人以上の性暴力による被害者を治療しました。被害者の大半は女性や少女ですが、男性や少年に対する性暴力にも認識が高まっています。

MSFは性暴力の対応策として、HIV を含む性感染症の予防治療、破傷風やB型肝炎の予防接種を提供しています。特にHIVの予防薬は、暴行を受けてから72時間以内に使用を開始する必要があるなど、迅速な医療介助が重要です。

また、必要に応じて、性暴力による身体的なけがの治療、心理社会的支援、そして望まない妊娠の予防と対応も行っています。

性暴力に関する詳しい情報はこちら

産科フィスチュラ(産科瘻孔)

MSFが支援するソマリアの病院で、フィスチュラ患者の回診を行う<br> 医師とMSFスタッフ © Nasir Ghafoor/MSF
MSFが支援するソマリアの病院で、フィスチュラ患者の回診を行う
医師とMSFスタッフ © Nasir Ghafoor/MSF
長時間にわたる困難な分娩により、産道が傷つき、膀胱や直腸との間の壁に穴が開いてしまうことがあります。これが産科フィスチュラ(産科瘻孔:さんかろうこう)です。

慢性的な失禁などが生じ、生活に大きな支障をきたすだけでなく、偏見や社会的孤立へとつながることもあります。

産科フィスチュラは、適切な分娩介助や帝王切開といったケアがあれば予防できる病気です。

一方で、治療には高度な外科的技術が必要です。MSFは「フィスチュラ治療キャンプ」を実施し、専門的な手術とケアを提供しています。

母子感染予防

HIV検査を受けるタンザニアの赤ちゃん © Petro Jengela/MSF
HIV検査を受けるタンザニアの赤ちゃん © Petro Jengela/MSF
HIVに感染している子どもの90%以上は、妊娠中、出産時、または母乳を通じて母親から感染しています。

しかし、母子感染予防(PMTCT)を行うことで、感染の可能性を2%未満にまで抑えることができます。

MSFは、HIV感染率が高水準の地域で、母子保健の中にPMTCTを組み込んで支援を行っています。具体的には、妊婦のHIV検査、HIV陽性の妊婦への抗レトロウイルス(ARV)治療、授乳に関するアドバイス、新生児への予防的ARV投与、カウンセリングなどを提供しています。

それでも乳児が感染してしまった場合には、即座に治療を開始します。

子宮頸がん

HPVの予防接種を受けるフィリピンの女の子<br>  © Hannah Reyes Morales
HPVの予防接種を受けるフィリピンの女の子
 © Hannah Reyes Morales
子宮頸がんは世界的に増えており、特に開発途上国では多くの国で女性のがんによる死亡原因の1位となっています。

MSFはこれまで、ジンバブエ、フィリピン、マラウイなどで子宮頸がんの検診や早期治療を行ってきました。また、HIVに感染している女性は子宮頸がんのリスクが非常に大きいため、HIV感染率の高い地域では特に力を入れて活動しています。

子宮頸がんの主な原因の一つであるヒトパピローマウイルス(HPV)に対するワクチン接種にも取り組んでいます。

写真上: MSFの子宮頸がんプロジェクトが行われている病院で、診察を待つマラウイの女性たち © DIEGO MENJIBAR 

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