レバノン

国境なき医師団(MSF)のレバノンでの活動は

経済危機の深刻化と政情不安により、国民の8割以上が貧困ライン以下の生活を余儀なくされているレバノン。国民の中で医療アクセスに差が大きいことが課題で、基礎医療を受けることさえ難しい人びとが多いのが現状です。

2024年9月、イスラエルによる爆撃と地上侵攻が激しくなったことを受け、国境なき医師団(MSF)は活動を拡大しました。首都ベイルート、山岳レバノン県、バールベック・ヘルメル県、アッカール県など被害の大きい地域に22の移動診療チームを派遣し、外傷治療心のケアを通じて医療施設を支援しました。

医療活動に加えて、避難所で衛生キットや毛布、マットレス、水などの必需品を配り、戦闘期間中は数百世帯に温かい食事も提供しました。

断続的に続く攻撃のなかで

しかし、2026年3月2日に再び緊張が高まりました。

4月17日に発効した一時的な停戦は、かろうじて安堵の感覚をもたらしましたが、状況はいまなお極めて不安定です。国内の一部では爆撃の激しさが低下したものの、停戦によって暴力が完全に止まったわけではありません。特に南部では広範な破壊、地上侵攻、領土の占拠が続いています。

地域社会は甚大な被害を受けており、病院、道路、水道などの不可欠なインフラの破壊や、それらの深刻な機能不全に直面しています。

MSFは、ナバティエ、ティール、カナ、そしてティール周辺の町など、これまでアクセスできなかったレバノン南部全域で活動を拡大しています。移動診療チームは、基礎医療に加え、性と生殖に関する医療、心のケアを提供するとともに、二次医療が必要な患者の紹介を行っています。避難所と自宅を行き来する人びとが多いなかで、MSFは対応を柔軟に調整し、国内各地で変化する状況や必要とされる援助の把握に努めています。

また、首都ベイルートやレバノン南部などで、外傷や救急医療のニーズが高まっている病院への支援も行っています。 

© Dalia Khamissy
更新:2026年6月10日

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