イエメン

活動の概要

2015年3月以降、政府軍と反政府武装組織との武力衝突が激化したイエメン。2020年には約17万2000人が新たに国内で避難を強いられ、国内避難民の数は世界で4番目に多い(国連難民高等弁務官事務所)。

医療機関への攻撃による施設の破壊、医療スタッフの不足、医薬品や医療物資の不足などを受けて、医療体制は脆弱な状態が続いている。子どもの栄養失調も深刻だ。国境なき医師団(MSF)は2020年、国内13の州で医療援助活動を行った。

新型コロナウイルス感染症に関して、MSFは2020年に首都サヌアとアデンの2大都市で拠点治療センターを支援。イッブをはじめとした複数の市では専門の治療センターを開設して運営した。イエメンでは感染への恐怖や誤った噂により病院へ行くことを避ける人が多くいたため、来院時には手遅れの状態となっているケースも少なくなかった。

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空爆と前線での戦闘が続き、各地で負傷者の外科治療に当たった。2020年にはサダア県に新しい手術室を建設したほか、マーリブではイエメン人や移民、社会から疎外された人びとの一般診療を担った。

母親と新生児のケアにも優先的に取り組み、アブス病院では月の出産介助件数が1000件を上回ることもある。アブスにあるMSFの支援先病院では、治療のために入院する栄養失調児の数が増加。食費と燃費の高騰が関係していると考えられる。

反政府勢力「アンサール・アッラー」とサウジアラビア主導の有志連合軍は、イエメン国内の人道援助活動に対する移動制限を課しており、ニーズ調査や移動診療活動などを妨げている。

医療施設への攻撃が2020年も続き、タイズ市ではMSFの支援先であるアル・タウラ病院内で武装した男たちが患者を殺害した。この病院は、1年を通してさらなる武力侵攻を受け、市内での戦闘でも被害を受けた。

MSFは1986年にイエメンで初めて活動。2020年にはスタッフ2621人が活動し、7630万ユーロ(約92億9900万円)を支出した。

(2020年報告)

活動の実績

外来診療件数 250,300
出産介助件数 23,400
新型コロナウイルス入院対応件数 1,950

(2020年実績)

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