地中海

地中海での国境なき医師団(MSF)の活動は

中東やアフリカでの戦乱や迫害、貧困から逃れようと毎年、多くの難民・移民が欧州をめざして地中海横断を試みています。国際移住機関(IOM)によれば、地中海中央部は依然として世界で最も危険な移民ルートの一つであり、2014年以降、この海域で少なくとも2万5630人の男女および子どもが行方不明または死亡しています。2024年だけでも死者数は1810人に達し、1日平均5人が命を落としました。地中海を渡る人の数は減少傾向にあるにもかかわらず、2024年には2017年以降2番目に多くの死者が確認されています。また、何万人もの人が地中海沿岸の通過国リビアに強制送還され、拘束や虐待、拷問にさらされています。

国境なき医師団(MSF)は2015年以来、地中海中央部で捜索救助活動を行っており、単独または他のNGOと協力して9隻の異なる救助船を運航し、これまでに9万4200人以上を救助してきました。しかし2024年12月、人命救助を意図的に制限する、通称「ピアンテドージ令」による活動制限や下船地を遠方の港に指定する措置などの影響で、救助船ジオ・バレンツ号の活動は事実上不可能となり、停止を余儀なくされました。

2025年11月、MSFはノルウェー語で「島への希望」を意味する新たな救助船オイボン号による活動再開を発表。移動を強いられた人びとの命を守るため、地中海での人道援助活動を再び開始しています。

Ⓒ Rahul Dhankani/MSF
更新:2025年12月1日

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