カメルーン

活動の概要

カメルーン英語圏の北西州と南西州では、2016年から分離独立派と政府軍との激しい戦闘が起きており、地域住民は襲撃や誘拐、拷問、家財の破壊や違法な処刑に遭うなど、「アングロフォン・クライシス(英語圏の危機)」と呼ばれる悲惨な状況が常態化している。

MSFはこうした状況に対応するため、2018年にカメルーン保健省と合意を結び、北西州と南西州で現地の医療機関の支援を開始した。

2020年は、カメルーンと隣国ナイジェリアの暴力被害地域の国内避難民、難民、脆弱な住民を支援するとともに、両国の新型コロナウイルス感染症対応に協力した。

北西州と南西州を中心に武器を用いた暴力がたびたびぼっ発し、新たな避難者の波が生まれる1年となった。国連人道問題調整事務所によると、12月までに合計70万5000人が住まいから退去。これらの地域の暴力は、保健医療の利用機会に深刻な影響を及ぼしている。

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ニーズの高まりを受け、国境なき医師団(MSF)は約30の病院・診療所を支援し、24時間体制の救急搬送サービスを運営して、9000件近い患者紹介を担った。また、マラリアや下痢など、よく見られる病気の単純な症例への対処を地域保健担当者が15万件余り行った。

北西州の保健省管轄施設との協定は12月10日に当局の差し止めに遭い、MSFの活動も事実上中断。一帯の医療サービスに大きな空白が生じた。

極北州では、人びとは今も日常的な武力衝突のあおりを受け、予測不可能な気候による深刻な食糧不安にも直面している。

マルア地域病院への支援は、専門スタッフの研修や、集中治療室など一部施設の改修で完了。コロファタ市で一般医療活動を立ち上げ、モラ市のプロジェクトで新たに救急外科を始めた。それまで州都マルアの外傷・産科手術の患者の多くが、モラから受け入れた人びとだったためだ。モラのプロジェクトは、マラリア、下痢、小児栄養失調などへの対応も続けた。

ドゥアラ市、クリビ市、バカシ半島ではコレラが流行し、MSFは集団予防接種や健康推進で対応。クリビでは、市中への派出チームが8万軒余りの戸別訪問を行い、予防策の周知を図った。

新型コロナウイルス感染症対策については、全国10州のうち5州で協力し、隔離区画の設置、酸素供給器具の寄贈、医療スタッフの研修、健康推進・調査、患者の治療などを行っている。

MSFは1984年にカメルーンで初めて活動。2020年はスタッフ658人が活動し、2090万ユーロ(約25億4771万円)を支出した。

(2020年報告)

活動の実績

マラリアの治療件数 137,200
コレラの予防接種人数 39,200
外科手術件数 6,930

(2020年実績)

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