新型コロナウイルス:エボラ、紛争……重なる困難の中で進めるコンゴでのコロナ対策
2020年09月28日掲載
イトゥリ州でMSFが運営する新型コロナウイルス治療センター © MSF/Djann Jutzeler
エボラ出血熱の流行、そして武力紛争も続いているコンゴ民主共和国(以下、コンゴ)。今年3月に国内初の新型コロナウイルス感染例が確認されて以来、国境なき医師団(MSF)は保健当局へのサポートを通して新型コロナウイルスへの対応を進めている。
新型コロナウイルス治療センターを開設
コンゴにおいて、新型コロナウイルスの感染は25州中18州に広がり、9月中旬時点で陽性者数は1万500人を超えた。2年にわたってエボラ出血熱の流行に見舞われたイトゥリ州では、新型コロナによる死者数の増加に直面している。
MSFは3月から、イトゥリ州のニジ、アングム、ドロドロを中心に、感染拡大を防ぐための啓発活動と、症状が疑われる人びとのケアを通して保健当局を支援してきた。また、医療スタッフ向けの研修や地元住民向けの説明会に加え、支援先病院において手洗い場や隔離区画の設置を行っている。
州都ブニアとニジでは、入院が必要な重症患者のための治療センターが設置され、MSFが運営を担っている。治療センターへの入所は任意としており、MSFは患者が強制的に連れて来られないよう注意を払っている。治療は無償で提供され、感染回避の手順に従えば、親族の面会も可能だ。
MSFが大切にしているのは、地域の住民を活動の中心に据えることだ。感染の拡大を食い止めるためには、住民の協力が欠かせない。 MSFは8月、宗教指導者や美容師、バイクタクシーの運転手など、地域住民に影響力を持つ人びとを対象に感染予防に関する説明会を実施した。彼らを通して、住民に正しい情報を伝えることが目的だ。全身の脱力感や発熱、乾いた咳などの症状が出たら感染を疑うこと、また、高齢者や持病のある人などが呼吸困難などの深刻な症状に陥っても、速やかに治療を受ければ生存の可能性は高くなることなどを伝えた。
15床のベッドを備える新型コロナウイルス治療センター © MSF/Avra Fialas
新型コロナウイルス以外の課題への対応も継続
コンゴの住民は、新型コロナウイルス以外にさまざまな課題を抱えている。新型コロナウイルスへの対応を進めるとともに、これまで各地で行ってきた医療活動を継続することも重要だ。移動などの制約が課せられる中でも、MSFは紛争から逃れ避難民キャンプで暮らす人びとへの支援や、はしかやマラリアへの対応を継続している。
避難民キャンプで医療援助を提供 逃れてきた人びとから話を聞くMSFスタッフ © MSF/Avra Fialas
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