新型コロナウイルス 医療体制が脆弱な国々での流行に備える

2020年03月06日掲載

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大にあたり、国境なき医師団(MSF)は中国で医療用の特殊防具を病院に提供するほか、香港では感染予防の啓発活動などを行っている。さらに今進めているのが、保健医療体制が脆弱な国々における感染拡大への備えだ。 

カンボジアで医療スタッフを対象に行った研修 防護装備の着用方法などを伝えた © MSFカンボジアで医療スタッフを対象に行った研修 防護装備の着用方法などを伝えた © MSF

医師も看護師も限られる中で

新型コロナウイルスの感染が最も広がっている中国の周辺にある国々の中には、医療インフラや医療体制が整っていない国が少なくない。それらの国々では、今回のような緊急事態への対応が非常に難しい状況にあると、MSFの緊急対応コーディネーターであるタンクレート・シュテーベは話す。

「医師や看護師の数が少なく、薬や医療器具の備蓄も限られていることが多いからです。日ごろ接している医療課題には対処できても、新たな危機に対応するための余力は乏しいのです」

シュテーベは、東南アジアと東アジアの国々で、流行に備えて医療スタッフへの研修や支援策の検討を行った。不測の事態に備え、何が必要なのか。「適切な物資の備蓄や、感染の診断が出た際の具体的な手順などに関して、事前に緊急時対応計画をつくることが必要です。そこには、根拠の確かな疫学的情報の収集と、適切な研修が欠かせません」 

感染防御の方法、隔離スペースの作り方——、実演交え伝える

緊急時には、医師や看護師も混乱に陥りかねない。その状況の中で最善の手当てができるよう、実践的な研修が重要だ。

「カンボジアの首都プノンペンで、医療スタッフへの研修を行いました。感染が疑われる患者に病院スタッフが早く適切に対応するためには手順が大切です。研修では、マスクやガウンなど防護装備の着用方法や、感染の疑われる患者と他の患者を選別・隔離するスペースのつくり方、感染が疑われる患者への処置の方法などを、実演を交えて伝えました」

医療体制が脆弱な国々での流行を防ぐために——。MSFは、医療スタッフ向けの同様の研修をパプアニューギニアでも行っている。

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新型コロナウイルス感染拡大への国境なき医師団の対応について(2020年2月14日更新) 

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