国境なき医師団は設立から50年を迎えました

2021年04月19日掲載

国境なき医師団(MSF)は、1971年にフランスで医師とジャーナリストによって創設されてから50年の節目を迎えました。紛争や自然災害、貧困など、さまざまな理由で命の危機にさらされている人びとに、独立・中立・公平な立場で医療・人道援助を届け続けています。

国境なき医師団とは

© Valérie Batselaere/MSF© Valérie Batselaere/MSF

国境なき医師団(Médecins Sans Frontières=MSF)は、民間で非営利の医療・人道援助団体です。

紛争地や自然災害の被災地、貧困地域などで危機に瀕する人びとに、独立・中立・公平な立場で緊急医療援助を届け、人道危機の現状を国際社会に訴える証言活動を行っています。現在、世界約 70 の国と地域で、医師や看護師、非医療スタッフを含む4 万 5000 人が活動(2019 年実績)。活動資金の9割以上が個人をはじめ民間からの寄付でまかなわれ、独立した援助活動を可能にしています。

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    国境なき医師団は苦境にある人びと、天災、人災、武力紛争の被災者に対し人種、宗教、信条、政治的な関わりを超えて差別することなく援助を提供する。

    国境なき医師団は普遍的な「医の倫理」と人道援助の名の下に、中立性と不偏性を遵守し完全かつ妨げられることのない自由をもって任務を遂行する。

    国境なき医師団のボランティアはその職業倫理を尊び、すべての政治的、経済的、宗教的権力から完全な独立性を保つ。

    国境なき医師団のボランティアはその任務の危険を認識し国境なき医師団が提供できる以外には自らに対していかなる補償も求めない。 

50年前、医師とジャーナリストが設立

© D.R.© D.R.

1967年にアフリカのナイジェリアで勃発したビアフラ戦争。2年半の内戦で、市民は食料補給路を断たれ、餓死を含め150万人以上が亡くなる事態となりました。

国際赤十字の援助活動に参加していたフランス人医師らは、非道な事態に強い憤りを覚え、国際赤十字のルールであった沈黙の原則を破って政府軍による市民への暴力を公に非難。1971年12月20日、このフランス人医師らとジャーナリストら13人によってMSFが設立されました。 

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国境なき医師団を知るための5つのキーワード

1. 緊急性 ──48時間以内に現場へ駆け付ける

© Florian Lems/MSF© Florian Lems/MSF

紛争や自然災害、感染症の流行など、緊急事態はいつ発生するか分かりません。MSFは、緊急事態が発生してから原則 48 時間以内に調査チームを派遣。

被害が甚大であると判断されると、援助ニーズに応じた人員を編成してさらに現地に派遣し、援助の行き届いていない地域で医療を提供します。世界 5カ所にある物流拠点では、通関済みの医療・救援物資を何千トンも保管し、いつでも送り出せる態勢を整えています。

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2. 証言活動 ──危機にさらされた人びとの声を社会へ

© MSF© MSF

MSFは、人道危機が起きている現場へ足を運び、メディアでさえも取材しきれない状況を知りえることがあります。

人道危機の現場で目撃した事実や人びとの声を社会に伝える「証言活動」は、医療援助と並ぶ、MSFの重要な活動です。紛争地では、安全が守られるべき医療施設や患者、人道援助スタッフが標的にされることもあります。こうした問題を国際社会に訴えることにも力を入れています。

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3. ノーベル平和賞 ──1999年に受賞

© Patrick Robert© Patrick Robert

独立・中立・公平な立場に立った医療援助と、証言活動が認められ、MSFは1999 年にノーベル平和賞を受賞しました。

受賞スピーチの場では、当時、無差別爆撃を受けていたチェチェンで目撃した惨状を証言。「言葉が常に人命を救えるわけではありませんが、沈黙は確かに人を殺し得ます」と訴えました。同年、ノーベル平和賞の賞金を基に「アクセス・キャンペーン」を開始。誰もが必要な治療を受けられるよう、社会に喚起しています。

受賞記念スピーチを見る

4. 資金の独立性 ──96%が民間からの寄付

国境なき医師団の活動資金は、その96%が個人をはじめとする民間からの寄付に支えられています。これにより、資金の独立性と透明性を保ち、いかなる権力からの影響も受けず、自らの決定で必要な場所へ援助を届けることが可能になります。
 
いま、世界で約650万人、日本で約42万人の方々が、国境なき医師団が世界各地で行う医療・人道援助活動を寄付で支えてくださっています。

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5. 医師だけでない ──約半数が非医療スタッフ

© MSF© MSF

MSFで活動しているのは、医師だけではありません。海外の現場では、医師や看護師、薬剤師から、人事や財務、物資調達、車両や設備の管理を担うスタッフまで、たくさんのプロフェッショナルが活動。海外派遣スタッフの約半数は非医療スタッフです。

世界各地で約4万5000人のスタッフが働いており、2020年にはMSF日本から75人(のべ106回)が30の国と地域に派遣が決まりました。日本では、事務局職員やボランティアが活動を支えています。

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国境なき医師団日本 事務局長 村田慎二郎 「現役高校生と考える、国際人道援助 ~私たちに何ができるのか~」

© MSF© MSF

 MSF日本事務局長の村田慎二郎が、国際人道援助の世界に飛び込んだ理由やキャリア、人道援助の現場で直面したジレンマなどを、これからの将来を担う現役高校生に語りました。
(昭和女子大学附属昭和高等学校、国境なき医師団、昭和デジタルスクエア共催イベント)

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© Tetiana Gaviuk/MSF© Tetiana Gaviuk/MSF

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