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基本情報

どんな病気?

エムポックスウイルスによる感染症。手のひら、足の裏、口の中などに発疹ができるのが特徴で、発熱、咽頭痛、筋肉痛、皮膚疾患、リンパ節の痛みなどを伴うこともある。 

流行地域

1970年代から中央アフリカと西アフリカで流行し始めたが、2022年から2023年にかけて急速に広がり、これまでに110以上の国で患者が確認されている。とりわけコンゴ民主共和国(以下、コンゴ)では、2024年に患者数が急増し、1月から9月2日までの間に2万人以上の症例と630人以上の死亡が確認された。同年8月、世界保健機関(WHO)はコンゴおよびアフリカ諸国で急拡大しているとして、緊急事態を宣言した(2025年9月に終了)。 

感染経路

感染した人や動物との接触が主な感染経路。野生動物の肉を食べたり、動物にかまれたり、引っかかれたりすることで、動物から人へ感染することがある。人から人への感染リスクも非常に高く、感染拡大を防ぐため、感染者を迅速に隔離する必要がある。 

治療

発疹や痛みなどの症状に対応し、さらに合併症を防ぐために支持療法を行う。適切な治療を受ければ、ほとんどの場合1カ月以内に回復するが、放置すると致命的になることがある。特に免疫が低下している人、子ども、妊婦は重症化しやすく、死亡リスクも高まる。 

予防

エムポックスワクチンによる予防が重要。コンゴでは流行地域の住民や医療従事者、セックスワーカー、避難民キャンプで暮らす人びとなど感染リスクの高い状況下にある人が多く、彼らを守るための十分なワクチン供給が必要となっている。

さらに、感染拡大を食い止めるには、コミュニティのニーズに基づいた包括的な対応も不可欠だ。過密状態のキャンプでは、生活環境を改善し、効果的な予防措置や皮膚病変のケアを行う体制を整えなければ、ウイルスの封じ込めは難しい。特に、水や衛生設備、石けんや洗面器などの衛生用品へのアクセスを確保することが重要だ。

エムポックスを患いMSFが支援するコンゴの病院に入院する子とその母親 © Alain Duhamel Ntungane/MSF
エムポックスを患いMSFが支援するコンゴの病院に入院する子とその母親 © Alain Duhamel Ntungane/MSF
コンゴの南ウバンギ州において、MSFが支援する病院で医療援助にあたるスタッフ © MSF<br>
コンゴの南ウバンギ州において、MSFが支援する病院で医療援助にあたるスタッフ © MSF

写真上:コンゴで住民に向けてエムポックスの啓発活動に取り組むMSFスタッフ © MSF

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