プレスリリース
エボラ病:コンゴでの流行宣言から100日──死者数は過去最多に 今すぐ援助の拡大を
2026年08月21日
コンゴ民主共和国(以下、コンゴ)でエボラ病(エボラ出血熱)の流行が宣言されてから、8月23日で100日を迎える。今回の流行は同国史上、最多の死者数となった。紛争や暴力、避難、飢餓など、日々さまざまな緊急事態に直面する地域で、感染は今も危機的な速さで広がっている。
国境なき医師団(MSF)は、感染を封じ込めるための援助が十分に届いていないと訴える。 症例の発見や患者の搬送、感染予防・制御について、医療スタッフと地域のリーダーへの研修を強化することが急務だ。
30分に1人が死亡 死者数は2400人超に
この1週間、およそ30分に1人のペースでエボラ病による死亡が報告されている。流行開始から8月16日までに、同国当局が報告した確定例は5000件を超え、死者は2400人を超えた。
「流行は対応を上回る速さで広がり続けています」と、MSFインターナショナル会長のジャビド・アブデルモネイム医師は話す。
「命を救うために治療センターは欠かせません。しかし、ベッドを増やすだけでは不十分です。感染した人をより確実に発見し、症状のある人と接触者を安全に隔離し、医療従事者を支える必要があります。既存の医療施設を受診する人びとも、感染から守らなければなりません」
エボラの対応は、地域社会の周りで進めるのではなく、地域社会と共に行わなければなりません
MSFインターナショナル会長 ジャビド・アブデルモネイム医師
地域社会との連携が不可欠
キャンプで暮らす地域リーダーのエズローム・キザ・ルマニさんはこう話す。
私たちはこの地域を知っていますし、人びとにどう働きかければよいかも分かっています。
「エボラ病が入ってきた時、私たちはすぐ動きました。家族と話し、不安に耳を傾け、症状のある人には受診するよう呼びかけました。この流行を止めるうえで、私たちには重要な役割があるのです」
新たな地域にも感染が広がる
流行が公式に宣言されて以降、コンゴにおけるエボラ病の死者の60%以上が、エボラ治療センターの外で、しかも多くはセンターから遠く離れた場所で死亡している。多くの人びとがケアを受けられないまま、自宅や地域内で亡くなっているのだ。これは、症例が発見される前にウイルスが広がり続けていることも意味する。懸念されるのは、流行の中心地であるイトゥリ州の外でも症例数が急増していることだ。特に北キブ州では、死亡率が高く、対応への不信感も強い。
イトゥリ州でMSFの緊急対応責任者を務めるトリッシュ・ニューポートはこう話す。
「これまでエボラ病への対応経験がほとんど、あるいは全くない新たな地域で症例が出ています。エボラ病対応の研修を受けた医療従事者が、治療センター内だけでなく、影響を受ける地域社会で活動することが早急に求められています」
今すぐ研修と支援の拡大を
MSFは現在、イトゥリ州、北キブ州、南キブ州、チョポ州、オー・ウエレ州で対応にあたっている。6カ所のエボラ病治療センターと隔離施設を運営し、430床以上を確保。これは対応全体の病床数の3分の1に当たる。エボラへの対応のため、MSFでは1400人を超えるスタッフが活動にあたっている。流行開始以降、MSFは1900人を超える患者を受け入れ、このうち720人がエボラ病の確定例だった。
北キブ州ベニでは、地域社会の中で対応を進めてきた。命を救うために欠かせない一般診療も提供する既存の医療施設を支援することで、標準的な治療や症状を和らげる治療を速やかに始められるようになる。コンゴでの流行対応全体を通じ、人びとが必要なケアを身近な場所で受けられるよう、さらに取り組みを強化する必要がある。
「医療従事者と地域のリーダーには、症例の早期発見、安全な患者搬送、感染予防・制御の強化、自分自身と周囲の人びとを感染から守るための研修が必要です」
世界保健機関(WHO)、国連機関、MSFをはじめとする人道援助団体、そしてコンゴ保健省は、この研修と支援を早急に拡大しなければなりません。
MSF緊急対応責任者 トリッシュ・ニューポート
早い段階で適切な治療を受ければ、回復する可能性が高まるのです。
避難民キャンプの地域リーダー エメリー・グバ・マテソさん




