エボラが過去最速のペースで拡大…コンゴで感染者5500人超、国境なき医師団が治療センター新設
2026年09月02日
MSFはコンゴ保健省と協力し、北キブ州のベニに新たなエボラ病治療センターを開設した。患者を速やかに受け入れて治療するとともに、接触者の追跡を強化し、ウイルスの感染拡大を抑える当局の取り組みを支援する。
感染は6州に拡大、コンゴ最大の流行に
8月22日までに、国内で確認された感染者は5514人を超え、死亡者は2642人に上った。コンゴで過去最大のエボラ流行となっているほか、世界的に見ても最速のペースで感染が拡大している。
確認された感染者はイトゥリ州に集中しているが、隣の北キブ州のベニとブテンボでも、多くの感染者が確認されている。北キブ州では8月22日までに714人の感染と490人の死亡が確認された。
MSFはこれまで、北キブ州のブテンボでエボラ病治療センターと隔離施設を運営し、保健当局を支援してきた。今回、特に深刻な状況となっているベニにも治療センターを開設したことで、より迅速に対応できる体制が整った。
MSFの緊急対応コーディネーター、アルバート・スターンはこのように話す。
エボラとの闘いは一刻を争います。症状が現れた段階ですぐに診断し、速やかに治療を始めることは、患者が助かる可能性を大きく高めます。同時に、家族や地域の中で感染が広がるリスクを減らすことにもつながります。
MSFの緊急対応コーディネーター アルバート・スターン
コンゴでは医療施設で感染するのではないかという不安や、そこでの治療に関する誤ったうわさから、受診を控える人も少なくありません。その結果、国内の主な死因であるマラリアなどの病気にかかった患者や妊娠中の女性・少女が、必要な医療を受けられなくなり、命を落とす恐れがあります。そのため、MSFは地域の人びとと協力しながら、基礎医療の強化にも取り組んでいます。
MSFの緊急対応コーディネーター アルバート・スターン
ベニで進むMSFのエボラ対応
こうした施設では、マラリアや呼吸器感染症、下痢症の患者に加え、エボラが疑われる症状のある人も速やかに受け入れている。患者は尊厳に配慮した環境で隔離され、治療と栄養支援を受けることができる。また、感染予防策を講じた上で、家族など大切な人とやり取りができるよう配慮している。
また、エボラの流行下では、妊娠中の女性・少女が合併症を起こすリスクが高まる。そのため、MSFはベニで支援するすべての診療所でリプロダクティブ・ヘルスケア(性と生殖に関する医療)に携わり、より安全な出産につなげる取り組みを進めている。
さらに、MSFは地域に根ざした対応の構築にも取り組んでいる。
地域のリーダーや住民の代表、市民社会団体と連携し、エボラについての正しい情報を広めるとともに、公衆衛生対策への理解を促している。また、体調を崩した人を早期に把握し、速やかに医療施設へつなげられるようにしている。
MSFは一人でも多くの命を救うため、患者への医療、基礎医療の強化、地域との連携を組み合わせて感染拡大を抑え、北キブ州の保健当局への支援を続けている。




