プレスリリース
エボラ病:コンゴでの流行宣言から1カ月──検査体制の強化や地域社会との連携が急務
2026年06月16日
コンゴ民主共和国(以下、コンゴ)でエボラ病(エボラ出血熱)の流行が宣言されてから1カ月。対応が拡大されている一方で、監視や診断、接触者追跡、地域社会との連携において大きな遅れがあり、流行の封じ込めは十分ではない。国境なき医師団(MSF)は、流行の規模に見合った対応を直ちに実現する必要があると訴える。
対応を上回る速度で流行が拡大
流行の発生から1カ月が経過しましたが、エボラの流行は対応を上回る速度で広がっています。実際の規模や感染が広がっている場所は正確に分かっていません。
MSF緊急医療コーディネーター ケイト・ホワイト
検査体制の強化が急務
「コンゴ東部では検査能力が強化されつつありますが、それでも不十分です。特に治安が不安定な地域では、検査へのアクセスが限られています。また、治療施設に検査結果が届くまでに時間がかかることも問題となっています」
検査をより迅速かつ広範に行えなければ、早期発見ができず、流行の封じ込めが難しくなります。
MSF緊急医療コーディネーター ケイト・ホワイト
流行が起きている地域では、何百万人もの人びとが長年にわたる紛争や避難、慢性的な医療不足、限定的な人道援助の中で生活を送ってきた。こうした状況が対応を妨げ、感染が広がりやすい環境を生み出している。
地域住民との信頼構築が不可欠
活動を立ち上げたり病気について説明したりするだけでは、地域社会の信頼は得られません。人びとの懸念に耳を傾け、地域社会自身が対応に関わる必要があります。
MSF緊急対応コーディネーター フレデリック・ライ・マナンツォア
多くの地域にとって、この流行は長年十分に対応されてこなかった複数の保健危機の一つに過ぎない。命を守るためには、流行の制御と同時に、日常的な医療へのアクセスを維持することが不可欠だ。
「妊婦には母子保健ケアが必要であり、子どもにはワクチン接種が必要であり、マラリアやコレラの治療が必要な人たちもいます。日常医療へのアクセスを維持することは、地域社会におけるエボラ監視の強化にもつながります」とホワイトは話す。
検査・監視体制の強化と、地域社会との連携を
診断、監視、医療へのアクセス、そして地域社会との連携を緊急に強化する必要があります。当局および関係者には、医療従事者と物資の移動を確実にし、この危機の規模に見合った対応を可能にするため、あらゆる手段を講じるよう強く求めます。
MSF緊急対応コーディネーター フレデリック・ライ・マナンツォア
エボラ病の流行に対するMSFの活動
流行の発生以降、イトゥリ州、北キブ州、南キブ州のMSFチームは、ブニア、モングワル、コマンダ、ゴマ、ブカブ、ルウィロにエボラ治療センターを設置した。
さらに3州全体で隔離施設および治療施設の拡充を進めている。また、支援する医療施設において感染予防・制御の対策も強化。加えて、地域社会との対話、監視活動の支援、医療従事者への感染予防・制御トレーニング、安全かつ尊厳ある埋葬の支援、医療施設への機材・医薬品の供給、そしてエボラ対応にとどまらない基礎医療サービスの継続確保などを幅広く行っている。
これまでにキンシャサおよび国外から数百トンの機器と医薬品を搬送し、現在、約600人のスタッフがエボラ対応に従事している。




