イベント報告
【イベント報告】人道援助って何? 医療を学ぶ大学生といのちについて考えよう
2026年01月08日国境なき医師団(MSF)の活動に関心を持つ医療系大学生グループが、冬休みを迎えた中高生を対象に、イベントを開催しました。MSF日本事務局に20人以上の中高生と保護者の皆さんが集まり、大学生およびMSFスタッフと交流しながら、みんなで一緒にいのちのついて考えるイベントになりました。
当日の運営を担った学生6人に話を聞きました。
イベントを開催した経緯は?
茅原:MSF主催の座談会で、人道援助や国際医療に関心を持つ医療系大学生とのつながりができ、その学生グループでMSFのイベントを開催しようということになりました。メンバーでアイデアを出し合ってゼロから企画し、2024年に初めてイベントを開催したのですが、とても楽しく、同時に自分自身にとって大きな学びのある時間だったことが強く印象に残っていました。学生のうちにもう一度やりたいと思い、仲間を募って今年も開催することにしました。
どんなイベントですか?
庄村:第一部は、MSFの教育プログラム「世界といのちの教室」特別編です。今回は講師として小児科医の大北恵子さんに登壇いただき、内戦が続くイエメンで人びとを取り巻く現実や、MSFが行う人道援助活動についてお話しいただきました。世界で起きる人道危機を自分ごととして捉え、中高生自身がどう感じ、どう向き合いたいかを考えるきっかけにしてもらえたと思います。
第二部は、大学生と中高生の対話です。グループに分かれて大学生活や受験のこと、将来の夢など、年齢の近い私たちだからこそ伝えられることを話しました。大学生も、選択肢が多い中で迷いながら進んでいること、そして、悩みや不安を感じるのは当たり前だということを伝えたいと思いました。医療の道に進もうと決めている中高生はもちろん、進路を決めていない中高生も関心を持って参加してくれ、行動力や視野の広さが印象的でした。
どうして今回の企画に運営メンバーとして参加したのですか?
朴:中高生の未来への一歩の助けになれたら素敵だと思ったからです。私自身、中高生の頃に医学の道に興味がありながらも他の分野にも魅力を感じ、進路を迷っていました。悩むのは当然だし、全力で悩んでいろいろなことにアンテナを張っておけば、何十年先の目標や見通しは立たなくても、目の前の一歩をどこにどう踏み出せばいいか、その時のベストな選択をできるということを伝えたいと思っていました。このイベントは2回目の参加で、MSFのボランティアは他にも参加したことがあり、私にとっても学ぶことが多くあると感じています。
大塚:私は、学生としてMSFに関われることなら何でもやりたい!という気持ちでした。国際医療の道を志す学生の皆さんと、大学や学年を超えて協力し合えることも魅力でした。MSFとの関わりが、この人ともっとたくさん話したい!という気持ちが湧いてくるような学生との出会いになっています。皆さんの学内外での活動の話を聞いたり、情報交換をしたりして、とても勉強になりました。学生として、MSFの証言活動の一端を担えればと模索しています。
イベントを通じて、自分自身どんなことを得ましたか?
林:第一部では、1人分の薬を2人の患者にどのように使うか決めるグループディスカッションがありました。参加した中高生が学年を超え、堂々と意見を言い合いながら考えを深め合っていました。自分では思いつかなかった考えも出てきて、私自身中高生からたくさんの学びを得ることができました。また、イベントを通じてMSFの海外での活動に参加しているスタッフの方から、現地の生活や活動現場のリアルなお話を聞くことができたのもとても良かったです。
泉:第二部では、学生がそれぞれ自己紹介スライドを制作してプレゼンテーションをしました。これが私自身の今までを振り返るきっかけになりました。私は一度看護学部に入りましたが、医師になる夢を諦め切れず、医学部に入り直しました。一度は「自分の学力では到底無理だ」と絶望しましたが、めげずに勉強し続けて合格しました。挑戦し続ける精神が今も私の生き方の根底になっていると改めて気が付いて、自信になりました。
イベントを振り返っての感想と、今後の抱負を教えてください。
庄村:中高生の活発さや、大学生の行動力に刺激を受け、目標を持って前に進むことの魅力を強く感じました。同時に、ユニークな道のりを歩んできた人が多いことを知り、進み方は人それぞれで、これまでの選択や遠回りも無駄ではないのだと思い、これからも目的を持ってさまざまな活動を行っていくモチベーションになりました。将来は、MSFの看護師として活動地で人道援助に関わることができたらと考えています。
茅原:イベントを通じて、自分は人の役に立つことや、人と話すことが本当に好きなのだと感じました。これまでの経験や考えを言葉にして伝えることで、「もっと頑張ろう」という前向きなエネルギーが自分の中に生まれました。春には大学を卒業し、病院での勤務が始まります。これからもMSFの活動や理念に共感している一人として、人道援助活動がより良くなっていく方向性に何らかの形で関わり続けたいと考えています。
参加者の声
忙しい大学生活の中でも、自分で行動すれば留学やボランティアといったチャンスをたくさんつかめることを体現している大学生ばかりでした。
対話中、学生の皆さんや参加した中高生の表情がとてもいきいきしていたのが印象的でした。また、学生の皆さんの話を直接聞くことで、保護者側も新しい視点を持つ事ができ、MSFの印象が変わりました。





どの大学生からも進路や背景、さまざまな経験やこれからの目標を聞くことができ、いままで身近に感じられなかった「医療」の分野について考えることができました。