ウクライナ:爆撃を逃れ隣国モルドバへ 国境なき医師団は診療所を開設

2022年03月14日

ウクライナの隣国であるモルドバ共和国。人口260万人の小さな国に、ウクライナ南部から連日大勢の人びとが戦闘を逃れてやって来る。今回の戦争勃発から3月8日までの間に、モルドバに逃れた難民は23万人を超えた。その半数余りは、ルーマニアやポーランドなど他の国へ移っていく。

国境の町であるパランカにたどり着く人の多くは、封鎖と激しい爆撃に脅かされているウクライナ南部のミコライフ(ウクライナ名:ムィコラーイウ)から来ている。女性や子ども、高齢者からなる家族連れが、モルドバへの入国許可を得るために何時間も氷点下の吹きさらしの中で待たされている。モルドバ側ではボランティアがお茶や食べ物を提供し、風雨を避けるためのテントも張られている。

ミコライフ出身のセルゲイさん(32歳)は、数日間、爆撃をしのぎ、妊娠中の妻と6歳の息子を安全なポーランドに脱出させると、自身はウクライナに戻り、その後モルドバ経由で家族と合流すべく、改めて出国した。出国が認められる男性は少ないが、セルゲイさんはC型肝炎を患っていたことから、ウクライナ軍に出国を許可された。彼は、国境なき医師団(MSF)が治療を提供してきた患者の一人だ。

モルドバ国境検問所の診療施設では、高血圧などの慢性疾患で体調の悪化した患者が1日に何十人も治療を受けている。MSFは、パランカに診療所を開設した。先に現地入りしたモルドバ人スタッフと活動に当たる。合わせて、心理面での応急処置も提供していく。

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