ウクライナ:ミコライウの病院でロシア軍の爆撃に遭遇 地域の医療施設も攻撃を受ける

2022年04月06日

4月4日、国境なき医師団(MSF)のスタッフ4人がウクライナ南部のミコライウを訪れた際、爆撃に遭遇した。MSFチームはその日、市や地域の保健当局と面会。午後3時半頃、市内のがん専門病院に入った時、病院の周辺が攻撃を受けた。そこは戦争が始まって以来、MSFが負傷者の治療を行ってきた病院だった。

このがん専門病院がある地域は、ミコライウ東部に位置する住宅街で、多くの医療機関が集中している。

現在オデーサで活動中の現地活動責任者、ミシェル=オリビエ・ラシャリテは「10分ほどの間に、スタッフのすぐそばで何度も爆発が起こりました」と話す。

「MSFのスタッフは無事に避難できましたが、避難の途中で、負傷者と少なくとも1人の遺体を目撃しました。病院の外に停めていた車の窓は爆風で吹き飛ばされました」

報告によると、この病院から約300メートル離れた小児病院も攻撃された。爆発の後には大きなクレーターは確認できず、地面に小さな穴がいくつも開き、広い範囲に散らばっているのが見えたという。これらの特徴は、クラスター爆弾の使用を示唆している。

「住宅街をこれほど広範囲にわたり明るい時間帯に爆撃すれば、民間人の犠牲は避けられず、公共の建物に被害が及ばないわけがありません。この2日間で、ミコライウにある3カ所の病院が爆撃されました。また、昨日の攻撃に加え、4月3日にはミコライウ南部の第5病院も攻撃を受けています。病院、患者、医療スタッフへの攻撃は禁じられているというのに」とラシャリテは話す。

ロシア軍による爆撃があった時、MSFは地元団体と連携し、戦争で家を失った避難者を支援するための新たな活動を立ちあげる準備をしていた。

現在、MSFはミコライウで予定している活動をどのように展開していくか、検討を行っている。

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