スーダン:北ダルフールで深刻化する凄惨な暴力と栄養失調──現地の医師からの報告
2025年10月31日
民族に基づく暴力が激化するスーダン・北ダルフール州で、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が州都エル・ファシールへ進攻し、人びとは安全を求めて近隣のタウィラに避難している。
国境なき医師団(MSF)は、タウィラで銃創患者や深刻な栄養失調に陥った人びとの対応に当たっている。
タウィラの現状と患者の証言を、現地で活動するMSFの小児科医ジュリア・キオプリスが伝える。
国境なき医師団(MSF)は、タウィラで銃創患者や深刻な栄養失調に陥った人びとの対応に当たっている。
タウィラの現状と患者の証言を、現地で活動するMSFの小児科医ジュリア・キオプリスが伝える。
横行する拷問や銃撃、子どもはほぼ全員が栄養失調──小児科医ジュリア・キオプリスからの報告
予想していた通り、多くの民間人が負傷しています。負傷者に対応するため、MSFはタウィラの玄関口に医療拠点を設置しました。ここですべての患者にトリアージを行い、最も重症の患者は病院に搬送しています。
また、5歳未満の子ども全員に栄養失調のスクリーニングを実施しており、昨日の確認では、ほぼ全員が重度または中等度の栄養失調に陥っていました。
10月29日から30日にかけて、医療拠点では主に外傷患者を受け入れています。銃撃や爆撃による子どもの外傷は、現時点ではそれほど多くありません。
MSFの現地スタッフにとって、業務を続けることは非常に困難です。彼らの中には、いまだに家族や友人がエル・ファシールに留まっている人もいるからです。親族が殺害されたという知らせを受けた人や、連絡が取れなくなった人もいます。
病院内の雰囲気はかなり厳しいものの、スタッフは常に最善を尽くしています。
また、重度の急性栄養失調に苦しむ子どもが非常に多く見られます。つい先日も、孤児となったきょうだい2組を受け入れました。エル・ファシールで家族全員を失った3人のきょうだいもいます。このような事例は、最近ますます頻繁になってきています。
人びとの証言は、ほとんどが同じ内容です。彼らは拷問を受け、移動中に銃撃される危険にさらされており、そのため夜間に身を潜めながら移動せざるを得ないのです。
エル・ファシールでは、人びとは動物の死骸を食べざるを得ない状況です。これは、特に子どもに深刻な腹部疾患を引き起こします。
病院に到着した時点で、彼らはすでに極度に疲弊し、健康状態も悪化しています。患者のほとんどが外科的処置を必要としており、外科チームは休む間もなく対応を続けています。




