エンジンオイルは20万円超に高騰…ガザでイスラエルが搬入制限、発電機故障で手術やX線検査に影響も
2026年08月14日
パレスチナ・ガザ地区では、イスラエル当局が医療に欠かせない物資の搬入を制限し続けており、人びとの命が脅かされている。
特に、病院の発電機、救急車、給水車などの稼働に必要なエンジンオイルや交換部品の搬入が阻止され、手術やX線検査といった医療活動が制限される事態にもなっている。
国境なき医師団(MSF)はイスラエルに対し、医療・人道物資の継続的な搬入を直ちに認めるよう求める。
特に、病院の発電機、救急車、給水車などの稼働に必要なエンジンオイルや交換部品の搬入が阻止され、手術やX線検査といった医療活動が制限される事態にもなっている。
国境なき医師団(MSF)はイスラエルに対し、医療・人道物資の継続的な搬入を直ちに認めるよう求める。
残り1カ月のエンジンオイル
一部の施設では、MSFが保有するエンジンオイルの在庫はあと1カ月分ほどしか残されておらず、法外な価格で地元市場から調達せざるを得ない状況だ。
エンジンオイルの供給は極めて限られ、この半年間で価格は20倍に上昇。7月末時点では1リットル当たり1300米ドル(約21万円)を超えた。しかし、品質も安定した供給も保証されていない。
ディーゼルエンジンやガソリンエンジンを動かすためには、エンジンオイルが欠かせない。つまり、オイルがなくなれば、救急車をはじめとする各種の自動車やディーゼル発電機などが使えなくなる。
8月5日には、ガザ中部デールバラハにあるMSFの仮設病院で、発電機1台が故障。予備の小型発電機で対応せざるを得ず、電力を大幅に制限した。
エンジンオイルの供給は極めて限られ、この半年間で価格は20倍に上昇。7月末時点では1リットル当たり1300米ドル(約21万円)を超えた。しかし、品質も安定した供給も保証されていない。
ディーゼルエンジンやガソリンエンジンを動かすためには、エンジンオイルが欠かせない。つまり、オイルがなくなれば、救急車をはじめとする各種の自動車やディーゼル発電機などが使えなくなる。
8月5日には、ガザ中部デールバラハにあるMSFの仮設病院で、発電機1台が故障。予備の小型発電機で対応せざるを得ず、電力を大幅に制限した。
手術室では最も重い症状の患者しか受け入れられなくなったほか、看護師は医療機器を滅菌できず、X線検査もできなくなった。重度のやけどを負った人びとは、空調のない暑さの中で苦痛に耐えなければならなかった。
MSFのパレスチナ活動責任者のフィリペ・リベイロは次のように述べる。
ガザ地区で私たちが目にしているのは、単発的な物資不足ではありません。2年以上にわたり、私たちはイスラエルの政策によって物資の搬入が妨げられる状況を目の当たりにしてきました。こうした政策は、単に支援を遅らせるだけではなく、人びとが生き延びるために頼っている仕組みそのものを破壊しているのです。
MSFのパレスチナ活動責任者 フィリペ・リベイロ
リベイロはこう続けた。
現在はエンジンオイルと交換部品が特に深刻な問題となっています。しかし、明日はまた別の物資かもしれません。対象となる物資は変わっても、根本的には同じです。人びとを生きられない状況へ追い込み、最も基本的で欠かせない物資を奪うことで、人間の尊厳を組織的に剥ぎ取っているのです。
MSFのパレスチナ活動責任者 フィリペ・リベイロ
発電機の停止は患者の命を脅かす
ガザ地区では、イスラエル当局によって電力インフラの多くが破壊されている。
そのため、病院やその他の重要な公共サービスは現在、ほぼ完全に発電機に依存している。しかし、エンジンオイルや交換部品がなければ、その発電機さえ次々と故障していく。
そのため、病院やその他の重要な公共サービスは現在、ほぼ完全に発電機に依存している。しかし、エンジンオイルや交換部品がなければ、その発電機さえ次々と故障していく。
さらに、太陽光発電などの代替電源はなく、新たな発電機や車両の搬入もイスラエル当局によって阻止されているのだ。
MSFプロジェクト副コーディネーターのオラ・バルダウィルはこう指摘する。
発電機が故障すれば、病院そのものが危機に陥ります。保育器に入っている新生児、酸素の供給装置に頼る患者、命を救うための手術を必要とする人びとに影響が出るのです。
MSFプロジェクト副コーディネーターのオラ・バルダウィル
水と食料の供給にも深刻な影響
影響は病院にとどまらない。
現在、人びとの飲み水へのアクセスは、避難場所に来る給水車に依存している。水と衛生の状況を監視する団体が7月に実施した調査では、90%の世帯が中程度から深刻な水不足に直面していることが明らかになった。
エンジンオイルがなければ、真夏に欠かせない給水車をはじめ、あらゆる輸送手段が停止する恐れがある。他にも、救急車、医療スタッフの通勤を支えるバス、人道援助物資を運搬するトラックも同様だ。さらに、パン工場や製粉所も発電機で稼働しているため、食料生産にも影響が及ぶ可能性がある。
現在、人びとの飲み水へのアクセスは、避難場所に来る給水車に依存している。水と衛生の状況を監視する団体が7月に実施した調査では、90%の世帯が中程度から深刻な水不足に直面していることが明らかになった。
エンジンオイルがなければ、真夏に欠かせない給水車をはじめ、あらゆる輸送手段が停止する恐れがある。他にも、救急車、医療スタッフの通勤を支えるバス、人道援助物資を運搬するトラックも同様だ。さらに、パン工場や製粉所も発電機で稼働しているため、食料生産にも影響が及ぶ可能性がある。
MSFが運営している海水の淡水化施設では、エンジンオイルと交換部品の不足によって、すでに発電機1台が損傷した。MSFは6月以降、施設の稼働時間を1日12時間から7時間へ短縮せざるを得なくなった。
その結果、飲み水の生産量は1日60万リットルから35万リットルへ減少した。これは毎日4万人以上が水を受け取れなくなった計算になる。
イスラエルによる制限はさらに拡大しており、発電機や車両だけでなく、皮膚疾患用の軟こうから医療機器の洗浄に必要な物資に至るまで、日常的な物資の搬入も阻止されている。
現在、ガザ地区では生活のほぼあらゆる面で物資不足が広がっており、病院や人道援助団体は基本的なものさえ確保できない状況に置かれている。




