「沈黙は、もはや加担に等しい」 イスラエルに拘束される95人のパレスチナ人医療従事者…国境なき医師団が即時解放を要求

2026年07月22日
パレスチナ・ガザ地区北部のカマル・アドワン病院。北部にある主要3病院の一つだったが、激しい攻撃に遭って施設の大部分が破壊された=2025年2月3日 © Nour Alsaqqa/MSF
パレスチナ・ガザ地区北部のカマル・アドワン病院。北部にある主要3病院の一つだったが、激しい攻撃に遭って施設の大部分が破壊された=2025年2月3日 © Nour Alsaqqa/MSF

パレスチナ・ガザ地区北部にあるカマル・アドワン病院の院長、フサム・アブ・サフィヤ医師は、拘束されてから1年半がたったいまも独房に収容されている。

アブ・サフィヤ医師が収容され、拷問も受けたとされる今回の事例は、イスラエル当局がパレスチナ全域で医療従事者を相次いで拘束し、攻撃の対象としてきた深刻な実態の一端にすぎない。

国境なき医師団(MSF)は、医療従事者の多くが正当な理由も示されないまま劣悪な環境で拘束されていることに強い憤りを表明し、世界各地で広がる即時解放を求める声に加わる。

命を奪われた1700人の医療従事者

アブ・サフィヤ医師の出来事は、決して例外ではない。

医療従事者の拘束状況や医療施設への攻撃を調査する団体「ヘルスケア・ワーカーズ・ウオッチ」によると、2023年10月以降、イスラエル当局に身柄を押さえられたパレスチナ人医療従事者のうち、95人がいまも収容されている。同じ期間に、医療従事者1700人が殺害され、その中にはMSFスタッフ15人も含まれている。

MSFの整形外科医であるムハンマド・オベイド医師は2024年10月26日、カマル・アドワン病院で勤務中にイスラエル軍によって拘束された。それ以来、600日以上にわたって厳しい環境下に置かれ、家族との連絡も一切認められていない。

MSFは引き続き、オベイド医師の即時かつ無条件の解放を求めている。

MSFの整形外科医、ムハンマド・オベイド医師=ガザ地区で2023年11月 © MSF
MSFの整形外科医、ムハンマド・オベイド医師=ガザ地区で2023年11月 © MSF

声を上げない世界の指導者

パレスチナ人の医療従事者を正当な理由なく拘束し、拷問や虐待を加えるイスラエルの行為は決して許されない。しかし、世界の多くの指導者はあまりにも長く非難の声を上げてこなかった。

こうした沈黙を続けることは、もはや加担に等しい。

MSFは、恣意(しい)的に拘束されているすべての医療従事者を直ちに解放するよう求める。そして解放されるまでの間は、必要な医療を受けられるようにするとともに、人間としての尊厳が守られる環境を整えなければならない。

2024年10月、負傷者が運び込まれるカマル・アドワン病院の様子=ガザ地区で © MSF
2024年10月、負傷者が運び込まれるカマル・アドワン病院の様子=ガザ地区で © MSF

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