沈黙に包まれた責任の所在──エチオピア・ティグレ州 殺害された国境なき医師団スタッフ3人の死に説明果たされず
2026年07月02日
2021年6月24日、エチオピア・ティグレ州中部で医療援助を必要とする人びとを探していた国境なき医師団(MSF)のスタッフ3人が銃撃され、命を落とした。スペイン出身のマリア・エルナンデス・マタス、エチオピア出身のテドロス・ゲブレマリアム・ゲブレミカエル、ヨハンネス・ハレフォム・レダだ。
3人のスタッフが殺害されてから5年。しかし、その死の真相はいまだ明らかになっていない。MSFは真相解明を求め続けてきたにもかかわらず、エチオピア政府は信頼性と公平性を備えた調査を完了し、その結果を公表する姿勢を示していない。
3人のスタッフが殺害されてから5年。しかし、その死の真相はいまだ明らかになっていない。MSFは真相解明を求め続けてきたにもかかわらず、エチオピア政府は信頼性と公平性を備えた調査を完了し、その結果を公表する姿勢を示していない。
5年たっても果たされない説明責任
MSFがこの残虐な殺害事件に関する内部調査報告書を公表してから1年が経過したが、マリア、テドロス、ヨハンネスの遺族は、当日何が起きたのかについて、いまだ公式な説明や裏付けのある調査結果を受け取っていない。MSFはエチオピア政府に対し、調査を完了し、その結果を公表するという責務を果たすよう強く求めている。
1年前に公表されたMSFの調査報告では、この攻撃が、明確に識別可能な人道援助従事者3人を意図的に標的とした殺害であったことが確認された。また、事件発生当時、エチオピア国防軍(ENDF)の車列が、3人が殺害されたのと同じ道路上に存在していたことも明らかになっている。
不処罰の連鎖を断ち切るために
2026年5月は、国連安全保障理事会が決議2286号を全会一致で採択してから10年にあたる。同決議では、各国が国際人道法を遵守し、医療従事者や人道援助活動に携わるスタッフを保護する責任を果たすことを約束している。
しかし、ティグレ州で起きたこの事件は、この約束が世界的に果たされていない現実を象徴している。各国は、人道援助従事者や医療スタッフへの攻撃について調査し、責任者の責任を追及する義務を負っているにもかかわらず、その責務を果たしていない。
マリア、テドロス、ヨハンネスの3人は、危機に直面する人びとの命を守るため、援助活動を行う中で命を奪われた。彼らの殺害は決して忘れられてはならず、沈黙に包まれることも許されない。また、こうした攻撃が処罰されないまま常態化し、黙認されることがあってはならない。
しかし、ティグレ州で起きたこの事件は、この約束が世界的に果たされていない現実を象徴している。各国は、人道援助従事者や医療スタッフへの攻撃について調査し、責任者の責任を追及する義務を負っているにもかかわらず、その責務を果たしていない。
マリア、テドロス、ヨハンネスの3人は、危機に直面する人びとの命を守るため、援助活動を行う中で命を奪われた。彼らの殺害は決して忘れられてはならず、沈黙に包まれることも許されない。また、こうした攻撃が処罰されないまま常態化し、黙認されることがあってはならない。
各国は、単なる言葉にとどまらず、具体的な行動を通じて人道援助従事者にとってより安全な環境を築くという責務を果たし続ける必要がある。
MSFは、国連安全保障理事会およびすべての国に対し、事件の真相解明と責任追及および人道援助従事者の安全確保に向け、より強力な行動を取るよう求める。また各国に対し、援助活動従事者の保護を含む国際人道法を尊重し、その順守を確保する責任を果たすよう強く呼びかける。




