暴力激化で8万8000人が避難──ブルンジで急速に深刻化する人道危機
2025年12月26日
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、コンゴ民主共和国(以下、コンゴ)の南キブ州で暴力が激化し、8万8000人以上が隣国のブルンジに逃げ込んだ。ここ数日も多くの人びとがブルンジに到着しており、難民キャンプでは安全な水、食料、衛生設備、基本的な生活必需品へのアクセスが限られ、人びとは厳しい環境を強いられている。
飽和状態のキャンプ 水も食料も手に入らない
ブルンジ北西部チビトケのンダバ・キャンプの状況について、MSFのプロジェクト・コーディネーターであるザカリ・モルーフは次のように説明する。
「キャンプはすでに飽和状態で、複数の家族が1つのテントを共有しています。地面は泥に覆われた状態です」
「キャンプはすでに飽和状態で、複数の家族が1つのテントを共有しています。地面は泥に覆われた状態です」
人びとは2Lの水のボトルを持っていますが、彼らが使える水はそれだけです。食料はほとんど手に入りません。私たちは、人びとの健康状態と人道状況の悪化を懸念しています。
ザカリ・モルーフ MSFプロジェクト・コーディネーター
2週間前にコンゴから難民が到着して以来、MSFは医療・人道援助活動を拡大している。約3万7000人がルジジ川を渡ってンダバ・キャンプに避難しており、MSFは移動診療所で1日平均200人の治療にあたっている。重症例はチビトケ地区病院に搬送し、現地チームが継続的なケアを提供している。
MSFはまた、1日あたり2万5000リットルの水を供給し、基本的な衛生環境の不足による感染症リスクを減らすため、トイレやシャワーの設置を進めている。
「私たちは、人びとが苦悩と絶望、疲弊に苛まれる姿を目の当たりにしています」とモルーフは話す。
「避難中に出産した女性もいれば、MSFの診療所で出産する人もいます。過去数日間で行ったマラリア検査の42%が陽性でした。ンダバ・キャンプではコレラの確定症例14件を治療し、はしかの疑い例も1件確認しています」
MSFはまた、1日あたり2万5000リットルの水を供給し、基本的な衛生環境の不足による感染症リスクを減らすため、トイレやシャワーの設置を進めている。
「私たちは、人びとが苦悩と絶望、疲弊に苛まれる姿を目の当たりにしています」とモルーフは話す。
「避難中に出産した女性もいれば、MSFの診療所で出産する人もいます。過去数日間で行ったマラリア検査の42%が陽性でした。ンダバ・キャンプではコレラの確定症例14件を治療し、はしかの疑い例も1件確認しています」
高まる健康リスク 膨大なニーズへの対応が急務
ブルンジ東部のブウェル長期避難キャンプには約2万9000人が到着し、ブルンジ当局や国際人道機関から支援を受けている。コレラの感染が拡大する中、MSFは50床規模のコレラ治療センター、および物流面での支援を行っている。
過密な生活環境では健康リスクが懸念される。リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)の支援や性暴力被害者へのケアは、最も重要なニーズの一つだ。
過密な生活環境では健康リスクが懸念される。リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)の支援や性暴力被害者へのケアは、最も重要なニーズの一つだ。
MSFはコレラやはしかの対策、予防接種、水と衛生の確保を含む緊急対応をブルンジ全域で強化している。
一方、コンゴでは政治・治安情勢が急速に変化し、人びとは大きな不安に直面している。ブルンジで活動する当局や団体は、膨大なニーズへの対応を迫られている。医療をはじめ、必要不可欠な支援を届けるため、人道援助団体による即時の動員が急務だ。
一方、コンゴでは政治・治安情勢が急速に変化し、人びとは大きな不安に直面している。ブルンジで活動する当局や団体は、膨大なニーズへの対応を迫られている。医療をはじめ、必要不可欠な支援を届けるため、人道援助団体による即時の動員が急務だ。




