急増する重度の栄養失調、追いつかない支援──アフガニスタンの子どもたちに迫る命の危機
2026年07月07日
アフガニスタン南部で、重度の急性栄養失調と合併症により命の危険にさらされる子どもが急増している。
国境なき医師団(MSF)は、同地域で支援する栄養治療センターで、こうした子どもの受け入れ数が憂慮すべきペースで増加していると警鐘を鳴らしている。
国境なき医師団(MSF)は、同地域で支援する栄養治療センターで、こうした子どもの受け入れ数が憂慮すべきペースで増加していると警鐘を鳴らしている。
急増する重度の栄養失調
「子どもたちが私たちのもとにたどり着いたときには、すでに手遅れに近い状態となっていることも少なくありません。本来であれば防げたはずの合併症を抱え、命の危険にさらされているケースも多いのです」と、アフガニスタン南部でMSFの医療コーディネーターを務めるアナ・リリア・バンダは話す。
「これは食料不足の深刻化だけでなく、栄養失調を早期に発見し、治療へつなげる仕組みが機能不全に陥っていることを意味しています。効果的な対応のためには、合併症のない子どもを早期に発見・治療する外来診療から、命の危険がある子どもを受け入れる入院治療まで、あらゆるケアが連携して機能する必要があります」
「これは食料不足の深刻化だけでなく、栄養失調を早期に発見し、治療へつなげる仕組みが機能不全に陥っていることを意味しています。効果的な対応のためには、合併症のない子どもを早期に発見・治療する外来診療から、命の危険がある子どもを受け入れる入院治療まで、あらゆるケアが連携して機能する必要があります」
避けられるはずの死を防ぐためにも、こうした包括的な栄養失調対策を立て直さなければなりません。
アナ・リリア・バンダ アフガニスタン南部のMSF医療コーディネーター
2026年1月から4月にかけて、MSFが支援するアフガニスタン南部の入院栄養治療センター(ITFC)に入院した重度の栄養失調の子どもの数は、過去3年間の同時期平均と比べて30%以上増えた。その大半は1歳未満の乳児だ。
この急増は、アフガニスタンで食料不安が一段と深まっていることを示している。同時に、高まる支援ニーズは、MSFの対応能力にも大きな負担を及ぼしている。
MSFは、アフガニスタン南部の栄養状況のさらなる悪化を防ぐため、栄養支援への資金と物資を優先的に確保するよう緊急に呼びかけている。
この急増は、アフガニスタンで食料不安が一段と深まっていることを示している。同時に、高まる支援ニーズは、MSFの対応能力にも大きな負担を及ぼしている。
MSFは、アフガニスタン南部の栄養状況のさらなる悪化を防ぐため、栄養支援への資金と物資を優先的に確保するよう緊急に呼びかけている。
事態を悪化させる援助削減と干ばつ
世界保健機関(WHO)が公表したデータによると、2025年初めから続く大幅な国際援助の削減により、2025年中に203の移動診療・栄養支援チームを含む445の医療施設が活動停止または閉鎖に追い込まれた。
これらのサービスはこれまで、栄養状態のスクリーニングや栄養失調の早期発見、必要な医療・栄養ケアの提供において、地域に根差した重要な役割を担ってきた。
こうした状況は、繰り返される干ばつによってさらに厳しさを増している。干ばつにより農作物の収穫量が減少し、食料不安と経済的困難が深まっているためだ。
同時に、地域情勢の緊張に伴う国境閉鎖によって、栄養治療食の供給網にも混乱が生じている。食料価格の高騰により、人びとの食料へのアクセスは一層厳しくなっており、とりわけ妊娠中の女性や母親たちが大きな影響を受けている。
「栄養失調は単なる医療の問題ではなく、社会的な問題です」と、バンダは話す。
「乳児の栄養ニーズを満たすためには、生後6カ月までは母乳で育て、その後は適切な補完食を与えることが欠かせません。しかし、母親自身が十分な食事をとれないなかで、どうして子どもに十分な栄養を与えることができるでしょうか」
これらのサービスはこれまで、栄養状態のスクリーニングや栄養失調の早期発見、必要な医療・栄養ケアの提供において、地域に根差した重要な役割を担ってきた。
こうした状況は、繰り返される干ばつによってさらに厳しさを増している。干ばつにより農作物の収穫量が減少し、食料不安と経済的困難が深まっているためだ。
同時に、地域情勢の緊張に伴う国境閉鎖によって、栄養治療食の供給網にも混乱が生じている。食料価格の高騰により、人びとの食料へのアクセスは一層厳しくなっており、とりわけ妊娠中の女性や母親たちが大きな影響を受けている。
「栄養失調は単なる医療の問題ではなく、社会的な問題です」と、バンダは話す。
「乳児の栄養ニーズを満たすためには、生後6カ月までは母乳で育て、その後は適切な補完食を与えることが欠かせません。しかし、母親自身が十分な食事をとれないなかで、どうして子どもに十分な栄養を与えることができるでしょうか」
私たちは現在、1歳未満の栄養失調の子どもたちを数多く診ていますが、付き添う母親たちもまた、支援を必要としているのです。
アナ・リリア・バンダ アフガニスタン南部のMSF医療コーディネーター
高まるニーズと急がれる援助拡大
2026年に入って以降、MSFが支援するアフガニスタン南部ヘルマンド州のブースト州立病院内のITFCでは、月間の入院患者数が過去5年間で最多を記録している。
2026年1月から4月までに、合併症を伴う重度の急性栄養失調の子どもの入院数は1500人を超えた。これは2022年の同時期に記録された人数の2倍以上にあたる。
また、2026年1月から4月にかけて、MSFが支援するカンダハル州のITFCでは、570人を超える栄養失調の子どもを受け入れた一方で、300人以上の患者を他の医療施設へ紹介した。
MSFは受け入れ体制の拡大を進めているが、治療を必要とする子どもの数は対応可能な範囲を大きく上回っている。
MSFはすでにヘルマンド州とカンダハル州で対応を拡大している。しかし、季節的に栄養失調が最も増える時期を迎えるなか、増え続けるニーズに現在の人道援助体制が対応しきれなくなることを強く懸念している。
MSFは資金拠出者や保健当局、関係機関に対し、アフガニスタン全土の栄養支援プログラムへの資金提供を最優先として早急に再開するよう求めている。
また、栄養治療食や不可欠な医療物資が途切れることなく供給される体制の確保も急務だ。こうした対策が直ちに講じられなければ、危機は一層深まり、救命医療を必要とするより多くの子どもたちが支援から取り残される恐れがある。
2026年1月から4月までに、合併症を伴う重度の急性栄養失調の子どもの入院数は1500人を超えた。これは2022年の同時期に記録された人数の2倍以上にあたる。
また、2026年1月から4月にかけて、MSFが支援するカンダハル州のITFCでは、570人を超える栄養失調の子どもを受け入れた一方で、300人以上の患者を他の医療施設へ紹介した。
MSFは受け入れ体制の拡大を進めているが、治療を必要とする子どもの数は対応可能な範囲を大きく上回っている。
MSFはすでにヘルマンド州とカンダハル州で対応を拡大している。しかし、季節的に栄養失調が最も増える時期を迎えるなか、増え続けるニーズに現在の人道援助体制が対応しきれなくなることを強く懸念している。
MSFは資金拠出者や保健当局、関係機関に対し、アフガニスタン全土の栄養支援プログラムへの資金提供を最優先として早急に再開するよう求めている。
また、栄養治療食や不可欠な医療物資が途切れることなく供給される体制の確保も急務だ。こうした対策が直ちに講じられなければ、危機は一層深まり、救命医療を必要とするより多くの子どもたちが支援から取り残される恐れがある。
アフガニスタンでのMSFの活動
MSFはバーミヤン州、ヘルマンド州、ヘラート州、マザリシャリフ、カンダハル州、ホースト州、クンドゥズ州の7カ所で活動を行っており、特に二次医療に重点を置いている。
現在、栄養失調の子どもたちへの支援をヘルマンド州、ヘラート州、カンダハル州で実施している。2025年には、MSFが支援するITFCに9388人の子どもが入院し、外来栄養治療センターには3166人の子どもが登録された。
現在、栄養失調の子どもたちへの支援をヘルマンド州、ヘラート州、カンダハル州で実施している。2025年には、MSFが支援するITFCに9388人の子どもが入院し、外来栄養治療センターには3166人の子どもが登録された。




