アフガニスタン西部で病院に入る際ブルカを強制する規制──女性の医療アクセスの新たな障壁に
2025年11月13日
アフガニスタン西部ヘラート州で11月5日から、女性の患者や介助者、スタッフがヘラート地域病院を含む公立の医療施設に入る際、頭からかぶり顔面と体を隠すブルカを着用することが義務付けられた。この規制が突然加えられたことで、女性の日常生活に制約が加えられたうえ、医療サービスを受けることを妨げる新たな障壁となっている。
ヘラート地域病院内で小児科を支援する国境なき医師団(MSF)は、この新たな規制が施行された2日間で、 緊急を要する患者の入院件数がすでに28%減少したことを確認している。
女性の医療アクセスのさらなる妨げに
「これらの規制は女性の生活をさらに阻害し、医療へのアクセスを制限することになります」と、MSFオペレーション・マネジャーのサラ・シャトーは語る。
「女性患者と介助者は、ブルカを着用しない限り病院への立ち入りを禁止されました。つまり、医療の必要性ではなく、服装によって治療の可否が決まるのです。これは女性患者に対する医療の遅延や拒否に直結します」とシャトーは付け加えた。
アフガニスタンでは、子どもと母親の医療サービスへのアクセスには、すでに障壁があります。新たな規制が、さらなる深刻な結果をもたらすことは明らかです。
サラ・シャトー MSFオペレーション・マネジャー
国境では女性医療スタッフがわずか3人に
イランとの国境イスラムカラでは、人道援助団体がイランから追放されたアフガニスタン人帰還者への医療支援を行う中で、同様の課題に直面している。
以前は100人以上いた女性スタッフのうち、いまも活動が許可されているのは助産師、医師、看護師の計3人だけで、常にブルカを着用するという厳しい条件が課されている。
イランから追放された女性の多くは健康状態が不安定で、衛生的環境と医療へのアクセスが限られている。
「国境で彼女たちと共に働く女性スタッフの存在は不可欠です。ヘラートと国境でのこうした制限は、憂慮すべきものです」とサラ・シャトーは警告する。
2021年以降、アフガニスタンの女性は公的生活から排除され続けている。女性は中等教育・高等教育へのアクセスを禁じられ、多くの公的・人道的職務への就労が禁止されている。さらに医療へのアクセスは制限され、公共の場からも締め出されている。




