プレスリリース

南スーダン:政府軍の攻撃により国境なき医師団が一部地域から退避──医療が奪われる事態に

2026年03月11日
2月3日に空爆を受けた、ジョングレイ州ランキエンにあるMSFの病院=2026年2月4日 © MSF
2月3日に空爆を受けた、ジョングレイ州ランキエンにあるMSFの病院=2026年2月4日 © MSF

南スーダン東部ジョングレイ州で反政府勢力が支配するアコボに、政府が主導する軍の攻撃が近づいている。3月6日には退避要求が出され、避難民を含む数十万の人びとが、保護のないまま逃げるか、殺害のリスクにさらされながら残るかの選択を迫られている。人びとは生きるために必要な医療を失う状況にも直面している。

国境なき医師団(MSF)はすべての紛争当事者に対し、民間人の保護、避難を求める人のための安全地帯の設置、人道援助や医療への安全なアクセスの確保を強く求める。また、医療施設を保護し、命を守り続けられるよう求める。

医療への攻撃が続く

間もなく始まるマラリア流行期に向けて地元住民と避難民への基礎医療と予防接種の支援が準備中だったが、事態を受けて人びとが避難したため、活動は突然の停止を余儀なくされた。

MSF南スーダン活動責任者のクリストフ・ガルニエはこう話す。

壊滅的な影響が出ています。多くの家族が何度も避難を余儀なくされ、もはや行く場所が残されていないのです。

MSFは3月7日にアコボから退避を余儀なくされ、何十万人もの人びとが医療を受けられない状況となった。MSFが小児病棟を支援しているアコボ病院は略奪され、薬局からはあらゆる医薬品と医療物資が奪われた。週末には事務所も正体不明の者たちによって襲撃を受けた。
 
南スーダンでは医療施設への攻撃が頻発している。2025年3月以降、MSF のスタッフや支援病院への攻撃は12件発生し、3つの病院が閉鎖を余儀なくされた。2026年に入ってわずか2カ月で、すでに 3件の攻撃が起きている。
 
特にジョングレイ州で暴力が激化しており、1月29日には MSFは武力衝突のためピエリから退避した。2月3日にはランキエンでの空爆により民間人が死亡し、地域内で機能していた最後の病院が破壊された。国連によると2月時点で約28万人が避難民となり、うち8万人はアコボに集中している。

人道援助と医療から切り離される人びと

アコボは医療施設が非常に限られた孤立した地域であり、MSFは推定11万2000人に医療を提供している数少ない組織の一つだ。政府による規制で航空便と医療物資の供給が遮断されていたが、3週間前にようやくアクセスが回復し、MSFは新たに避難してきた人びとの調査と、命を守るためのマラリア対策を開始したところだった。しかし、再び退避を余儀なくされた。

政府から何度も課せられる退避により、人びとは足止めされ、暴力にさらされ、人道援助から切り離されています。アコボの病院が攻撃を受け、生き残るために必要な医療が奪われることを深く懸念しています。

MSF南スーダン活動責任者 クリストフ・ガルニエ

今回の衝突で疲れ果てトラウマを抱えて避難した人びとは、安全な飲料水や十分な食料、適切な保護もない中、仮設の避難所で暮らしている。必要な医療から切り離され、尊厳を奪われ、病気や飢餓、そして絶え間ない極度の暴力の脅威にさらされている。
 
繰り返される退避や、医療への攻撃、政府による制限がMSFの活動を妨げているが、南スーダンの人びとは今、さらなる援助を必要としている。

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