プレスリリース
スーダン:国境なき医師団、北ダルフールで進む大量虐殺を非難──国際社会は影響力の行使を
2025年11月04日
国境なき医師団(MSF)は、スーダン・北ダルフール州の州都エル・ファシールとその周辺で発生した無差別かつ特定民族を標的とした凄惨な大量虐殺行為を強く非難する。
大勢の住民は依然として極度の危険にさらされ、MSFが活動するタウィラなど比較的安全な地域へ避難することは、即応支援部隊(RSF)およびその支援勢力によって妨げられている。MSFはこの状況に憂慮し、RSFらに対し、民間人を保護し安全な地域への避難を許可するよう緊急に求めるとともに、国際社会に対し、この虐殺を止めるための影響力を行使するよう訴える。
大勢の住民は依然として極度の危険にさらされ、MSFが活動するタウィラなど比較的安全な地域へ避難することは、即応支援部隊(RSF)およびその支援勢力によって妨げられている。MSFはこの状況に憂慮し、RSFらに対し、民間人を保護し安全な地域への避難を許可するよう緊急に求めるとともに、国際社会に対し、この虐殺を止めるための影響力を行使するよう訴える。
避難民が虐殺を証言
17カ月に及んだ包囲と攻撃の末、エル・ファシールが10月26日にRSFに制圧されたことを受け、MSFは約60キロ離れたタウィラで、負傷者や避難民の受け入れに備えた。この数カ月、エル・ファシールで暴力が激化するたびに、人びとはタウィラへ逃げてきたためだ。国連によると、エル・ファシールには8月末時点で26万人が居住していた。
しかし現地の支援機関によると、29日の時点でタウィラにたどり着けたのはわずか5千人弱に過ぎなかった。避難民は虐殺が起こっていると証言し、エル・ファシールや近隣の町、そして避難経路沿いで、拷問や身代金目的の誘拐、性的暴力、即決処刑に晒されている人たちがいると話した。
MSFの緊急対応責任者であるミシェル・オリビエ・ラシャリテはこう話す。
「避難できた人の数が少ないままな一方で、大規模な残虐行為の証言が増えています。飢餓と暴力を何カ月も耐え抜いた人びとは、一体どこにいるのでしょうか。患者の証言から推測される最も恐ろしい可能性は、避難を試みた際に殺害され、行く手を阻まれ、追われているということです。
MSFはRSFとその支援武装勢力に対し、民間人を保護し、安全な地域への避難を許可するよう緊急に求めます。また、米国、サウジアラビア、UAE、エジプトからなる『クアッド』を含む国際社会に対し、この虐殺を止めるための影響力を行使するよう訴えます」
しかし現地の支援機関によると、29日の時点でタウィラにたどり着けたのはわずか5千人弱に過ぎなかった。避難民は虐殺が起こっていると証言し、エル・ファシールや近隣の町、そして避難経路沿いで、拷問や身代金目的の誘拐、性的暴力、即決処刑に晒されている人たちがいると話した。
MSFの緊急対応責任者であるミシェル・オリビエ・ラシャリテはこう話す。
「避難できた人の数が少ないままな一方で、大規模な残虐行為の証言が増えています。飢餓と暴力を何カ月も耐え抜いた人びとは、一体どこにいるのでしょうか。患者の証言から推測される最も恐ろしい可能性は、避難を試みた際に殺害され、行く手を阻まれ、追われているということです。
MSFはRSFとその支援武装勢力に対し、民間人を保護し、安全な地域への避難を許可するよう緊急に求めます。また、米国、サウジアラビア、UAE、エジプトからなる『クアッド』を含む国際社会に対し、この虐殺を止めるための影響力を行使するよう訴えます」
身代金のため拘束された人びと
10月26日から28日にかけて、エル・ファシールからの新たな避難者の多くは女性、子ども、高齢者であり、極度の栄養失調状態でトラックに乗せられて運ばれてきた。銃撃を受けた負傷者は徒歩で、昼間は身を隠し、夜間に武装勢力を避けながら移動してきた。
10月27日に到着した避難民のうち、5歳未満の子ども70人全員が急性栄養失調であり、そのうち57%が重度の急性栄養失調だった。翌日、エル・ファシールから到着した男性120人をMSFが検査したところ、20%が重度の急性栄養失調と診断された。この地域は1年以上前に飢饉状態が宣言されており、食料や物資の供給が遮断された中、人びとは家畜の飼料で命をつないでいる。
複数の人がMSFに証言したところによると、10月26日に500人の民間人とスーダン軍・合同部隊の兵士らが脱出を試みたが、大半がRSFとその支援勢力に殺害または捕らえられたという。
人びとは性別、年齢、民族別に分類され、多くが身代金のため拘束されたままになっている。身代金の額は500万~3000万スーダンポンド(127万~770万円)に及び、殺されず逃れるために2400万スーダンポンド(613万円)を支払ったと語った人もいた。また、戦闘員が車両で複数の人を轢き殺すという凄惨な光景を目撃したと証言する人もいた。
10月27日に到着した避難民のうち、5歳未満の子ども70人全員が急性栄養失調であり、そのうち57%が重度の急性栄養失調だった。翌日、エル・ファシールから到着した男性120人をMSFが検査したところ、20%が重度の急性栄養失調と診断された。この地域は1年以上前に飢饉状態が宣言されており、食料や物資の供給が遮断された中、人びとは家畜の飼料で命をつないでいる。
複数の人がMSFに証言したところによると、10月26日に500人の民間人とスーダン軍・合同部隊の兵士らが脱出を試みたが、大半がRSFとその支援勢力に殺害または捕らえられたという。
人びとは性別、年齢、民族別に分類され、多くが身代金のため拘束されたままになっている。身代金の額は500万~3000万スーダンポンド(127万~770万円)に及び、殺されず逃れるために2400万スーダンポンド(613万円)を支払ったと語った人もいた。また、戦闘員が車両で複数の人を轢き殺すという凄惨な光景を目撃したと証言する人もいた。
安全な地域への移動と人道援助が急務
MSF緊急対応副責任者のリビア・タンペリーニ医師はこう語る。
「10月26日から29日の間に、MSFは396人の負傷者を受け入れ、新たな避難者700人以上を治療しました。現在治療中の患者の主な負傷は、銃創、骨折、殴打や拷問によるものです。中には感染症や、極限状態の中で行われた手術の合併症に苦しんでいる人もいます」
MSFはタウィラの入口に医療拠点を設置し、病院での救急、外科治療などの医療提供を拡充している。タウィラにいるMSFのスーダン人スタッフの多くも、エル・ファシールで身近な人たちを亡くした。既に町に避難した人は、飢えとトラウマに苛まれた表情で到着した人びとの中に行方不明の家族はいないかと探している。
「命からがらタウィラにたどり着いた人びとの状態を見る限り、医療、食料、心理社会的支援、避難所、水といった最低限の人道援助を緊急に必要としていることは明らかです」とタンペリーニは述べる。
生き延びた人びとの命を守るために、もはや一刻の猶予もない。彼らが安全な地域へ移動し、必要な支援を受けられることは認められなければならない。
MSFはタウィラの入口に医療拠点を設置し、病院での救急、外科治療などの医療提供を拡充している。タウィラにいるMSFのスーダン人スタッフの多くも、エル・ファシールで身近な人たちを亡くした。既に町に避難した人は、飢えとトラウマに苛まれた表情で到着した人びとの中に行方不明の家族はいないかと探している。
「命からがらタウィラにたどり着いた人びとの状態を見る限り、医療、食料、心理社会的支援、避難所、水といった最低限の人道援助を緊急に必要としていることは明らかです」とタンペリーニは述べる。
生き延びた人びとの命を守るために、もはや一刻の猶予もない。彼らが安全な地域へ移動し、必要な支援を受けられることは認められなければならない。




