スーダン・ダルフール:医療従事者が銃撃で死亡──即応支援部隊(RSF)は医療施設とスタッフの保護を
2025年11月28日
スーダン・中央ダルフール州ザリンゲイ病院の前で、11月18日、保健省のスタッフが銃撃により殺害された。国境なき医師団(MSF)は、死亡した保健省所属の同僚に哀悼の意を表すとともに、4人の負傷者が出たこの事件を受けて、改めて「即応支援部隊(RSF)」に対し、医療施設とスタッフの保護を求める。MSFは今年2度目となるザリンゲイ病院での支援縮小を余儀なくされており、チームの安全確保に努めている 。
ダルフールでMSFの緊急対応コーディネーターを務めるミリアム・ラルーシは、「即応支援部隊(RSF)がスタッフと患者を守る安全な環境を保証しない限り、MSFは活動を再開することはできません」と訴える。
医療施設や人道援助が武力衝突の影響を受けることは、決して許されないのです。
MSFの緊急対応コーディネーター、ミリアム・ラルーシ
8月の武装襲撃に続く事件
MSFはザリンゲイ病院において、救急外来、外科、小児科、産科救急、新生児医療などの重要な医療サービスを提供している。さらに、入院病棟の支援やはしかやコレラの流行時には治療のための隔離用テントを設置して対応を行ってきた。
11月18日以降、MSFは保健省や地域住民、治安機関、関係当局と継続的かつ積極的に協議を重ね、医療施設の保護に取り組んでいる。撤退の過程にあっても、人材の支援や医薬品の供給は続けている。
今回の事件に先立つ2025年8月16日夜、MSFは施設内で発生した手りゅう弾爆発を受け、病院での全活動を一時、中断した。この武装襲撃では1人が死亡し、保健省の医療スタッフを含む5人が負傷している。その後、縮小されたチームが必要な医療活動を継続し、主要関係者との協議を経て、MSFは8月31日に活動を再開していた。
続く暴力の中、はしかも流行
続く暴力によって、医療を必要とする多くの人びとが医療を受けられない状況に置かれている。そして現在、MSFはこの地域ではしかの流行にも対応中だ。
2025年4月1日から11月20日までにMSFは、はしか患者850人を受け入れた。そのうち36%(310人)が急性栄養失調を併発しており、病状の深刻化につながっている。
私たちが治療する患者の多くは急性栄養失調に陥っており、重篤な合併症を発症するリスクが高くなっています。はしかと栄養失調が重なると命に関わることもあるのです。
ダルフールにおけるMSFの医療コーディネーター、ホセ・サンチェス
ここ数カ月、MSFははしか症例の著しい増加を記録しており、週平均は7月の3件から、8月には22件、9月には43件、10月には57件、11月には62件へと急速に増加した。「医療施設で迅速な治療を継続的に提供することが不可欠です」とサンチェスは強調する。
スーダンにおけるMSFの活動
MSFは40年以上にわたり、感染症の流行や深刻な栄養失調など、スーダンにおける大規模な危機の最前線で活動してきた。現在も国内8州で、紛争の影響を受ける人びとに対し、医療・人道援助活動を通じて支援を続けている。




