プレスリリース
ガザ:「武器としての水」 イスラエルは集団的懲罰として意図的に水を遮断──水アクセスの即時回復を
2026年04月28日
イスラエル当局はパレスチナ・ガザ地区で武器として水を利用し、パレスチナ人に対する集団的懲罰の一環として水を奪っている——。国境なき医師団(MSF)は、イスラエル当局に対し、ガザの住民に必要な量の水の供給を直ちに回復するよう求めるとともに、イスラエルの同盟国には、影響力を行使し、水インフラを含む人道援助へのアクセスを妨げる行為を止めさせる必要があると訴える。
水を止めることはジェノサイドの一部
MSFの緊急対応マネジャーであるクレア・サン・フィリポはこう述べる。
イスラエル当局は、水がなくては命が絶たれることを分かっています。にもかかわらず、ガザの水インフラを意図的かつ組織的に破壊し、水関連の物資の搬入を阻止し続けているのです。
給水所で奪われる命
ガザ市の女性、ハナンさんはこう話す。
私の孫は去年7月、ヌセイラトで飲み水を汲むために他の子どもたちと一緒に列に並んでいた時に、彼ら(イスラエル軍)に殺されました。まだ10歳でした。水を汲むことが危険なはずがないのに。
水・衛生に必要な物資搬入も制限
ガザ地区中部デールバラハのキャンプで避難生活を送るアリさんはこう話す。
私たちには水が必要です。まったく理不尽です。生きるために必要なものを世界中に頼んでいるようです。
水が得られないことは、人びとの健康、衛生、そして尊厳に甚大な影響をもたらしており、特に女性や障害がある人びとにとって深刻だ。清潔な水、石鹸、おむつ、生理用品といった基本的な衛生用品へのアクセスは、極めて困難になっている。人びとは砂地に穴を掘ってトイレ代わりにせざるを得ず、その結果、穴があふれ、周囲や地下水が排泄物で汚染されている。
水や衛生設備へのアクセスが不足していることに加え、過密状態のテントや仮設の避難所といった、極度の劣悪かつ尊厳を損なう環境での生活も相まって、呼吸器感染症、皮膚疾患、下痢性疾患などの病気の増加につながっている。2025年にMSFが行った一般診療のうち、皮膚疾患が占める割合は18%近くに上った。また、2025年5月から8月の間に、前月に胃腸疾患を経験した人は25%近くに達した。
MSFによる水の生産・供給
MSFは、ガザ地区において現地当局に次ぐ量の飲料水を生産している。2026年3月、極めて厳しい状況下に段階的な改善を重ね、MSFはガザで1日あたり530万リットル以上の水を生産・供給した。これは、ガザ地区の住民の5人に1人にあたる40万7000人以上の最低限の需要に相当する。3月の1カ月間で、MSFは1億リットル以上の水を供給した。これは、20リットルの水容器を1507キロ分並べた長さに当たり、およそ東京から沖縄までの距離に相当する。




