プレスリリース

ガザ危機1年にあたっての意識調査

2024年09月26日

2023年10月にイスラエルとハマスの戦闘が激化してから、まもなく1年を迎えるにあたり、国境なき医師団(MSF)日本は、この人道危機の日本社会における関心について調査した。
 
調査結果から、パレスチナ・イスラエルにおける人道危機に約6割の人びとが関心を持っており、昨年から関心は下がっていないことも分かった。また、6割以上が「何か自分にできることをしたい」と感じており、その傾向は10代で特に強いことが明らかになった。一方で、実際に自分がアクションを起こすことにおいては「分からない・特にない」と過半数が回答。意識と行動にはまだギャップが存在することが浮き彫りとなった。

また、日本からできることとして、「停戦に向けた、政府による外交努力」が重要だと考えられていることが分かった。

意識調査概要

■ 調査対象:日本在住の15歳以上2800人
 (15歳~19歳、20代、30代、40代、50代、60代、70歳以上、各400人。男女半数)
■ 調査期間:2024年9月19日~20日
■ 調査方法:株式会社クロス・マーケティングのインターネット調査ツール「QiQUMO」提携先会員による任意回答

調査結果①

パレスチナ・イスラエルにおける人道危機に約6割の人びとが関心を持っており、昨年から関心は下がっていない。

「パレスチナ・イスラエルにおける人道危機について関心がありますか?」の問いに、「とてもある」と回答した人は18.4%、「ややある」と回答した人は38.9%で、全体の57.3%が関心を持っていると分かった。
関心が「昨年より高まった」「昨年と変わらない」と回答した人を合わせると86.1%で、多くの人にとって関心が下がっていないことが分かった。

調査結果②

パレスチナ・イスラエルにおける人道危機についての報道や情報に触れた時の気持ちとして、6割以上が「何か自分にできることをしたい」と回答。その傾向は10代で顕著。

パレスチナ・イスラエルにおける人道危機についての報道や情報に触れた時に感じる気持ちとして、「何か自分にできることをしたい」と「とても感じる」人が14.6%、「やや感じる」人が47.6%で、合計62.2%が該当した。
 
年代別に見ると、「自分にできることをしたい」気持ちを「とても感じる」と回答した人の割合は15歳~19歳の層が最も高かった。

調査結果③

最も多くの人が求めるのは「今すぐ停戦してほしい」ということ。「民間人を巻き込まないでほしい」の声も高い。

「パレスチナ・イスラエルにおける人道危機に関して、あなたが求めることは何ですか」の問いに、56.5%が「今すぐ停戦してほしい」と回答。「民間人を巻き込まないでほしい」と回答した人も50.1%に上った。

調査結果④

「日本からできることとして重要なこと」として最も多くの人が回答したのは、「停戦に向けた、政府による外交努力」だった。

「日本からできることとして重要だと思うもの」として、49.1%が「停戦に向けた、政府による外交努力」と回答し、選択肢の中で最も多かった。「停戦後の復興支援」「多くの人が関心を持つ」ことも、日本からできることとして重視されている。

調査結果⑤

実際に自分がアクションを起こすことにおいては「分からない・特にない」と過半数が回答。「何か自分にできることをしたい」と回答した人は6割に上っていたが、意識と行動にはまだギャップが存在することが浮き彫りになった。

「パレスチナ・イスラエルにおける人道危機に関して、あなたはどんなことをしたいですか?」の問いに対して、33.6%が「もっと知りたい」と回答。一方で、53.8%が「分からない・特にない」と回答した。

調査結果を受けて

MSFは、今回の調査で得られた結果を今後の広報に活かし、人びとの「知りたい」というニーズに応えていく。特に若い人びとが、ガザを含む世界の人道危機をより「自分ごと」として考えてもらえるよう取り組んでいく。また、「停戦に向けた、政府による外交努力」を求める声を、日本政府への提言に活かしていく。

パレスチナにおけるMSFの活動

MSFは1989年からパレスチナで活動し、ガザ地区とヨルダン川西岸地区において紛争の影響を受けた人びとの命を支えている。ガザ地区では、700人以上の現地スタッフと35人の国際スタッフが、2つの病院と8つの医療施設で活動している(2024年8月時点)。

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