プレスリリース
国境なき医師団日本 新型コロナウイルス感染症危機対応の寄付募集を開始
2020年03月26日新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な大流行に伴い、国境なき医師団(MSF)は欧州や開発途上国を中心に緊急医療援助活動を加速している。MSF日本は、活動資金の一部を日本から拠出することを目指し、同感染症への医療援助活動および感染症拡大の影響に伴うその他の援助活動に使途を限定した寄付の募集を本日3月26日より開始した。MSF全体の予算は約120億円(1億ユーロ)で、日本からは約7億円(583万ユーロ)の調達を目指す。寄付はオンライン、ゆうちょ銀行への振り込み、電話(クレジットカード決済)で受け付ける。
感染が拡大する欧州と医療体制の脆弱な国々で援助を展開
MSFは今年1月末、香港で開始した感染予防啓発活動を皮切りに、中国・武漢市の病院への医療用保護具提供など、新型コロナウイルスの感染拡大に合わせた対応を行ってきた。現在は、死亡者数で中国を上回ったイタリアで、特に流行の深刻な北部の病院を支援。また、フランスとベルギーでは、ホームレス、移民、保護者のいない未成年者など特に脆弱な人びとの検査・ケアに協力している。スペインでも、医療機関の患者受け入れ能力を高めるため、保健当局との連携を進めている。また、多くの難民が過密状態で生活するギリシャ・レスボス島のモリア難民キャンプでの感染拡大に備えて、緊急時の対応を敷いている。
同時にMSFは、アフリカ、中東、東南アジア、オセアニア、中南米地域などの、以前から医療援助プログラムを展開している国と地域において、活動の見直しを行い、新型コロナウイルス感染予防を中心に、流行への備えを進めている。今後感染者が出る可能性が高いと思われる場所では、感染予防策を導入し、患者のスクリーニングとトリアージ態勢の確立、隔離区画の確保と維持管理、保健教育の徹底が必要であり、MSFは世界保健機関(WHO)および各国保健省と連携し、感染者が増えた場合どのような援助ができるか検討を重ねている。
MSF日本会長の久留宮隆医師は、「世界で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、多くの人びとが健康上のリスクにさらされています。その中で医療従事者の安全確保は、あらゆる医療機関で最優先事項となっています。必要な医療物資の供給不足や、医療従事者の感染によって病院が機能停止に追い込まれる事態は避けなければなりません。また、国際社会は最も感染リスクの高い脆弱な人びとへのケアを忘れてはなりません。この危機的な状況を世界中が連帯し乗り越えられるよう、皆さまの支援を強くお願いします」と訴えている。
新型コロナウイルス感染症対応募金 寄付募集の概要
受付は終了いたしました。
募集開始:2020年3月26日
- ※外国為替レートの変動に加え、新型コロナウイルスの感染拡大により医療用防護具や医療物資の市場価格は大きく変動しています。いただいたご支援でできることの例として表示している物資の金額(日本円)は、国境なき医師団がこれらを購入する際に支払う価格と差異が生じる場合があります。
受付方法:
■オンライン
支援対象から「新型コロナウイルス感染症危機対応募金」を選択してください。
- ※本募金で集められた資金は、MSFが世界各地で行う新型コロナウイルス感染症の緊急援助活動と感染症拡大の影響に伴うその他の援助活動に割りあてられます。この活動に必要な資金を上回る寄付が寄せられた場合は、その他の緊急援助活動にあてられます。また、活動状況や資金調達状況に応じて、本募金の受付を予告なく終了する場合があります。
【訂正】
- 「日本からは約7億円(538万ユーロ)」のユーロ額は「583万ユーロ」の誤りでした。(3月31日更新)
- 当初「支援でできること一例」で挙げた以下の項目は、エボラ出血熱対応に必要な用具の価格を参考にしていましたが、新型コロナウイルス対応のために使用される用具の具体例に置き換えました。(4月9日更新)
<旧>
- 「支援でできることの一例」は、為替レートの変動に加え、市場価格の変動を踏まえ、MSFの実際の購入価格に差異が生じる可能性を追記しました。(5月1日更新)