プレスリリース
令和8年熊本地震:八代市で「心のケア」の活動を開始──地震発生からまもなく1カ月、高まる心理ケアのニーズに応える
2026年08月24日
令和8年熊本地震により被害に遭われた皆さまへ、心よりお見舞いを申し上げます。また、皆さまの安全と被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
国境なき医師団(MSF)は、令和8年熊本地震で甚大な被害を受けた熊本県八代市で、「心のケア」の活動を始めた。避難所で過ごす被災者を対象とした「けんこう講座」を8月23日に開始したほか、今後、被災者の対応にあたっている自治体職員などを対象に心理士によるサポートを行う予定だ。
地震発生からまもなく1カ月となる今、避難生活のストレスや今後の不安などにより心理ケアへのニーズが高まっていることを受けて、活動開始に至った。
高まる心理ケアへのニーズ
MSFは8月2日から調査チームを派遣し、熊本県の複数の被災地域で医療ニーズを把握するための調査を行い、自治体や医療関係者、様々な年代の被災者から話を伺った。この結果、直接的な医療ニーズは各機関の活動によりおおよそ満たされつつあるものの、長引く避難生活におけるストレスや、先の見えない今後への不安、頻発する余震などにより、心理ケアへのニーズが高まっていることが確認された。
さらに、被災者の対応にあたる自治体や高齢者施設などの職員が、高いストレスにさらされたまま十分なケアを受けられていないことが明らかになった。
これらの状況を受け、MSFは熊本県臨床心理士・公認心理師協会、災害派遣精神医療チーム(DPAT)、災害派遣医療チーム(DMAT)などの関係機関と連携し、以下の活動を行う。
避難所での「けんこう講座」
ストレッチ教室や、体と頭を使うアクティビティ、健康に関するミニ講座などを行い、避難生活で蓄積したストレスや疲労をやわらげるとともに、参加者同士がリラックスして交流できる機会を提供する。また、心身に関するアンケートを行うことで、個別の心理ケアニーズを把握して必要な支援につなげる。
8月23日には、八代市内の避難所2カ所で「けんこう講座」を実施。MSFの心理士と理学療法士によるストレッチ教室やボールを使ったアクティビティのほか、不眠や不安、災害時の心の保ち方などに関するミニ講座を行った。計9人が参加し、「なかなか体を動かす機会がなかったので、皆で声を出しながら体を動かせて楽しかった」「不眠についてなど、知らなかったことを聞けてとても有意義だった」といった声が寄せられた。
支援に携わる人をケアする「支援者支援」
災害時、自らも被災しながら地域住民を支える自治体職員などの人びとが、高いストレスの下、必要なケアを受けられないまま仕事を続けていることが多い。八代市でも同様の状況が確認され、MSFは今後、自治体や高齢者施設の職員を対象に心理士によるサポートを行っていく予定だ。
現地で活動にあたる心理士の福島正樹は、「自らも被災しながら住民を支えるエッセンシャルワーカーの方々が、心に傷を抱えたまま働いています。『支援者支援』のニーズは非常に高いと感じます」と語る。
MSFは八代市で当面1カ月をめどに、「けんこう講座」や「支援者支援」の活動を行っていく予定だ。その後は地域の関係機関に活動を引き継いでいく。
日本国内では能登半島地震などでも活動
MSFはこれまでも、阪神・淡路大震災、東日本大震災、平成28年熊本地震、西日本豪雨、能登半島地震など、日本国内の災害に際して援助活動を実施してきた。緊急の医療・人道ニーズがあり、それに対する支援が不足している場合、補完的に活動を行っている。
熊本地震の活動資金は、日頃、皆さまが託してくださっているご寄付から充当します。本活動に使途を限定した寄付の受付は行っておりません。ご寄付を検討いただいている方は、使途を限定しない形でのご寄付をお願いいたします。
こうした緊急時の活動は、皆さまからの温かなご寄付で実現しています。心より感謝申し上げます。




