プレスリリース

国境なき医師団 人道援助をめぐる諸問題を共に考える「人道援助コングレス東京 2020」を開催

2020年10月21日
国境なき医師団(MSF)は、人道援助をめぐる諸問題を共に考える会議、「人道援助コングレス東京 2020」を11月26日~27日にオンライン開催します。日本で初開催となる今回は、「コロナ禍における人道援助とその課題」をテーマに、人道援助にかかわる各界の識者が、医療施設への攻撃や、新型コロナワクチンなど医薬品の分配問題、長期化するイエメン危機といった議題について発表・討議します。 

現在世界では、紛争の長期化、難民・国内避難民の増加、気候変動や新型コロナウイルスといった感染症の流行などにより、人道援助の形態は多様化し、必要とされる資金や人員も増大しています。また、自国第一主義の台頭、対テロ政策、国境封鎖による難民受け入れの停滞などにより、人道援助の実施がより困難な状況に直面しています。

このような状況では、人道主義や「独立・中立・公平」の原則に基づいた人道援助のあり方を再認識することが、非常に重要となっています。MSFは、これまでドイツ、オーストリアにおいて「人道援助コングレス(Humanitarian Congress)」を他団体とともに開催してきましたが、今回、日本で初開催するにあたり、人道援助をめぐる諸問題を共に考える場をつくり、国内でも議論を深めていくことを目指します。

人道援助コングレスは、主に国際協力にかかわる関係者(実務者、研究者等)間の対話を目的とする場ですが、国際協力分野の学生をはじめ、人道援助に関心を持つすべての方が参加可能です。

開催概要

日時:11月26日(木)17:00-21:30、11月27日(金)17:00-21:40
言語:日英同時通訳あり
募集人数:500人
参加費:無料
詳細・申し込み:特設ページからお申し込み下さい
申し込み締め切り:11月20日(定員に達した場合早期終了となる可能性があります)
問い合わせ: jindo@tokyo.msf.org

プログラム

11月26日(木)

17:00-18:30
プレセッション:MSFによる人道医療援助の実践と直面する危機
内容:人道援助の原則に則り活動するMSFによる安全確保の実践と、現在直面する課題(対テロ政策の人道援助への影響等)について紹介する
発表者:村田 慎二郎(MSF日本事務局長)
ゲストスピーカー:レシュマ・アダティア(MSFインターナショナル 人道・外交担当代表)

19:00-19:20
オープニング
開会挨拶:久留宮 隆(MSF日本会長)

19:30-21:30
セッション1:医療施設に対する攻撃
内容:紛争下で医療施設・医療従事者が標的になる問題に加え、感染症が巻き起こす不信や不安による暴力も起きている。その現状と課題、国際的な取り組み等について発表・討議する
パネリスト:
 マーチェイ・ポルコウスキ(赤十字国際委員会Health Care in Danger プロジェクト統括)
 レオナルド・ルーベンスタイン(Safeguarding Health in Conflict Coalition代表)
 村田 慎二郎(MSF日本事務局長)
モデレーター: 古谷 修一(早稲田大学大学院法務研究科教授)

11月27日(金)

17:00-19:00
セッション2 : 新型コロナウイルスワクチン・治療・検査への公平なアクセス
内容:「ワクチン・ナショナリズム」が過熱する中、途上国や人道援助対象者にも薬やワクチンが届くよう、公平な分配のための国際的な枠組みについて考える
パネリスト:
 シルヴィ・ブリアン(医師、世界保健機関<WHO>感染リスク管理—エピデミック・パンデミック疾患対策部ディレクター)
 MSFアクセス・キャンペーン他
モデレーター:久留宮 隆(MSF日本会長)

19:30-21:30
セッション3:イエメンの人道状況
内容:紛争の長期化、援助資金の減少、新型コロナ出現により、人道危機はさらにひっ迫した状況となっているイエメン。現在の状況について討議を行う
パネリスト:
 佐藤 寛(日本貿易振興機構<ジェトロ>アジア経済研究所 上席主任調査研究員)
 大垣 友貴美(国連世界食糧計画<WFP>イエメン事務所)
 落合 厚彦(元MSFイエメンプロジェクト責任者)
モデレーター: 藤谷 健(朝日新聞 編集担当補佐)

21:30-21:40
クロージング
閉会挨拶:久留宮 隆(MSF日本会長) 

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