南スーダン:北部アゴクの戦闘でMSFの看護師が死亡──病院運営を一時中断

2022年02月15日
南スーダン・アゴクにあるMSFの病院。アビエイ地域全体で二次医療を提供する唯一の施設=2019年8月30日 © Laurence Hoenig/ MSF
南スーダン・アゴクにあるMSFの病院。アビエイ地域全体で二次医療を提供する唯一の施設=2019年8月30日 © Laurence Hoenig/ MSF

南スーダン北部アゴクで2月10日、コミュニティ同士の戦闘が発生し、国境なき医師団(MSF)の病院で働いていた南スーダン人看護師、デビッド・デング・アリューが自宅で殺害された。同地は南スーダンとスーダンが領有権を争うアビエイ特別行政区の南端に位置する村。MSFは地域の人びとの命を奪ったこの暴力行為を強く非難する。  

暴力行為が医療提供を阻害

南スーダンでMSFの活動責任者を務めるグーランガ・マンナは、「私たちは同僚の死を深く悲しみ、デビッドの家族や友人に心から哀悼の意を捧げます」とコメントし、「MSFの独立・中立・公平の原則は、緊急で医療を必要としている全ての人に、民族、政治的な関わりなどを超えて、医療を提供することを意味しています。私たちは、活動を続けるために、医療チームへの配慮と安全を求めます」と主張した。

戦闘が起きた時、住民は周辺の茂みや他の町に避難した。その中には、MSFの病院で働くスタッフも含まれていたため、MSFは病院の運営を一時中断せざるを得ない事態に追い込まれた。治療を受けていた24人の患者はアビエイの病院に移送した。

MSFは今後もアゴクにとどまり、必要な医療を滞りなく人びとに届けられるよう、医療援助に当たっていく。 

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