ガザからスイスへ──国境なき医師団、重傷の子ども13人の医療搬送を支援
2025年12月09日
国境なき医師団(MSF)は、スイス政府がパレスチナ・ガザ地区から第2陣として13人の医療搬送を完了したことを歓迎する。これは、10月24日に負傷した子ども7人が搬送された第1陣に続くものだ。
「医療搬送は一人一人の人生を変える」
MSFはスイス政府の人道的パートナーとして、患者20人とその家族に対し、ガザ出発からヨルダンの首都アンマンを経てスイスに至るまで、医療支援、心のケア、そしてロジスティック面での支援を提供した。
2年に及ぶ激しい戦闘によってガザの医療体制は壊滅的な状況にあり、多くの人びとが銃弾や爆弾による複雑な外傷に苦しんでいる。さらに、がんや腎不全といった命に関わる深刻な病を抱える人も少なくない。
2年に及ぶ激しい戦闘によってガザの医療体制は壊滅的な状況にあり、多くの人びとが銃弾や爆弾による複雑な外傷に苦しんでいる。さらに、がんや腎不全といった命に関わる深刻な病を抱える人も少なくない。
「ガザから20人の患者がスイスの病院で救命治療を受けられるようにしてくださったスイス政府と各州に敬意を表します」とスイスにおけるMSF緊急対応責任者のトリッシュ・ニューポートは語った。
医療搬送は、一人一人の人生を変えるものであり、命を守るものです。すでに900人以上の患者が治療のための搬送を待つ間に亡くなっています。そして、今もなお1万6500人以上の人びとが医療搬送を待っています。
MSFの緊急対応責任者 トリッシュ・ニューポート
世界保健機関(WHO)によれば、10月21日までに複数の国の政府がガザから数千人の患者を搬送しており、エジプトには3995人、アラブ首長国連邦には1499人、カタールには970人が到着している。
MSFは、こうした命を守るための搬送を実施しているすべての国に深い感謝の意を表するとともに、より多くの患者を救うため、十分な資源を持つ国々が取り組みを一層拡大するよう強く訴える。
停戦から1カ月以上が経過したが、ガザの人びとの生活状況は依然として極めて厳しい。重要なインフラは破壊されたままで、大規模な避難が続き、支援も十分ではない。「パレスチナ人は今もほぼ毎日のようにイスラエル軍によって殺害され、負傷しています。人道援助に対する厳しい制限も続いています」とニューポートは話す。
イスラエル当局は直ちに、人道援助を大規模かつ妨げられることなくガザに届けることを認めるべきです。また、ガザでは受けられない治療を必要とするすべての患者の医療搬送を、円滑に進めなければなりません。
MSFの緊急対応責任者 トリッシュ・ニューポート




