ガザ:国境なき医師団スタッフに13人目の犠牲者──看護師がイスラエルの空爆で死亡
2025年09月19日
パレスチナ・ガザ地区で9月16日、国境なき医師団(MSF)の看護師、フセイン・アルナッジャールがイスラエル軍の空爆によって死亡した。
紛争が激化して以降、ガザ地区で命を奪われたスタッフはこれで13人目となった。MSFは彼の死によって深い衝撃と悲しみに包まれている。
紛争が激化して以降、ガザ地区で命を奪われたスタッフはこれで13人目となった。MSFは彼の死によって深い衝撃と悲しみに包まれている。
家族を支え続けた看護師
フセインは暮らしていたテント付近であった空爆で負傷。その傷が原因で、5日後の16日に亡くなった。彼の義理の姉、おいもこの攻撃で負傷している。
これは単なる悲劇的な事故ではない。ガザ地区内には安全な避難場所が存在しないという現実が、改めて浮き彫りとなっている。
フセインは子どものころに父親を亡くし、4人兄弟の長男として家族を支え続けてきた。
彼は献身的な看護師だった。2024年1月から、ガザ中部デールバラハと南部ハンユニスにあるMSFの診療所で働いていた。それ以前には、北部のアル・アウダ病院で四肢再建プロジェクトの滅菌技師としてMSFの仲間と共に働いていた。

フセインは情熱にあふれ、人生を心から楽しむ人だった。妻、3人の幼い子どもたちと暮らす父親でもあった。また、経済的に支えていた弟がエジプトで医学部を卒業する日を心待ちにしていた。
一刻も早い終結を
2023年10月の紛争激化から、ガザで命を奪われたMSFのスタッフはフセインで13人目となった。私たちは、軍事的な暴力によってパレスチナ人の仲間たちが次々と殺害されている現実に、強い憤りを感じている。
MSFは彼の殺害を断固として非難するとともに、即時の停戦再開と、民間人の保護を改めて強く求める。
この深い悲しみの中で、私たちの心はフセインの妻、子どもたち、そのほかの全ての家族や友人たちと共にある。このような流血は、ただちに終わらせなければならない。
