負傷者の大半は爆発性兵器によるもの──ガザで続く無差別攻撃、今すぐ民間人と医療の保護を
2025年08月20日
パレスチナ・ガザ地区にある医療施設6カ所で、2024年以降に収集された20万件以上の診察データを国境なき医師団(MSF)が分析したところ、暴力による患者の外傷治療のうち83%が、爆弾や手榴弾などの爆発性兵器によるものであることが明らかとなった。
この分析結果は医学誌『ランセット』 に掲載された。
多くの子どもや女性が犠牲に
ガザの元緊急対応コーディネーターであるメイニー・ニコライは語る。
爆発性兵器は爆風、破片、熱によって複雑な負傷を引き起こす、無差別兵器です。私たちが調査した2カ所の病院では、負傷の約60%がこの爆発性兵器によるものでした。
人びとが生活を強いられている仮設の避難所は、こうした兵器に対してほとんど、あるいはまったく防護機能を持っていない。
分析によると、初めて外傷の治療を受ける患者の18%が感染症にかかっている。これは非常に高い数値だ。度重なる強制移動によって、人びとが不衛生な環境で生活せざるを得なくなっていることが原因と言える。
民間人が保護されていないことは明らかだ。外傷診療のうち、29.6%は15歳未満の子ども、32%は女性となっている。
この保護の欠如は医療従事者にも及んでおり、2023年10月以降、MSFのスタッフ12人を含む1580人の医療従事者が殺されている。現在、ガザで完全に機能している病院はひとつもない。

直ちに無差別攻撃の停止を
このような無差別攻撃は、今すぐ止めなければならない。
ガザにおけるパレスチナ人の虐殺と飢餓は意図的に引き起こされている。爆発性兵器の大量使用もその一環だ。
人道援助は武器として利用され、妨害されている。医療サービスもまた、毎日のように攻撃の標的となっている。
MSFは改めて、即時かつ恒久的な停戦を求める。そして、民間人の保護と医療および人道援助活動の尊重を訴えるとともに、イスラエルに対し、公平かつ制限のない直接の医療支援を許可し、保護するよう強く求める。
