ガザ: MSFスタッフと家族の避難用車列が銃撃され1人死亡──MSFはこの攻撃を強く非難する

2023年11月20日

パレスチナ・ガザ地区で11月18日、国境なき医師団(MSF)のパレスチナ人スタッフとその家族計137人を避難させようとしていた車列が攻撃され、MSFスタッフの家族1人が死亡、1人が負傷した。

彼らは、ガザのシファ病院近くにあるMSFの施設内に1週間にわたり閉じ込められていた。この意図的な攻撃を、MSFは最も強い言葉で非難する。

イスラエル軍の空爆で破壊されたガザの街=10月10日撮影 © Mohammed Baba
イスラエル軍の空爆で破壊されたガザの街=10月10日撮影 © Mohammed Baba

「MSF」のマークを付けた車に分乗

現地時間18日午前9時、5台の車両からなるMSFの車列が、ガザ中心部のシファ病院近くにあるMSFの施設(宿舎、事務所、外来診療所)を出発した。車内にはMSFのパレスチナ人スタッフとその家族の計137人(うち子ども65人)が乗っており、安全な場所を求めてガザ南部に向かった。いずれの車両も、屋根を含めMSFのマークを明確に示していた。

周囲で11月11日から戦闘が続いているため、彼らは銃撃で閉じ込められ、MSFは彼らを安全に避難させるよう繰り返し呼びかけてきた。

MSFは、紛争の当事者双方に、この動きを伝えていた。車列は、イスラエル軍が示した退避ルートを通り、この地域を離れようとする他の市民とともに、サラハディン通りを進んだ。 

イスラエル軍に連絡しても検問所を通過できず、帰路に撃たれる

 車列は、ワディ・ガザ近くの最後の検問所に着いた。イスラエル軍がパレスチナ人を厳しくチェックするため、検問所は激しく混雑していた。さらに、イスラエル軍に情報を共有していたにもかかわらず、MSFのスタッフらは何時間も検問所の通過を許されなかった。

銃声が聞こえたためMSFスタッフらは恐怖を感じ、検問所から7キロほど離れたMSFの施設に引き返した。

その帰り道、現地時間同日午後3時半から4時の間、車列はMSF事務所近くのサイード・アル・アース通りとの交差点近くのアル・ワヘダ通りで攻撃を受けた。MSFの車2台が故意に銃撃され、MSFスタッフの家族1人が死亡、もう1人が負傷した。

MSFは、私たちのスタッフだけでなく、ガザ北部で戦闘に巻き込まれ、極めて悲惨な状況に置かれている多くの人びとの避難を緊急に許可するよう、再度呼びかける。

私たちは即時停戦を求める。それは、閉じ込められた市民を安全に避難させるための通路を確保する、唯一の方法だからだ。  

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