パレスチナ・ガザ地区:退避要求が期限切れに。国境なき医師団はイスラエル当局に人道的対応を求める

2023年10月15日

イスラエル当局は、ガザ地区の住民が安全を確保できるエリアがあるという内容を発表しているが、実際には、退避を求める最後通告を受けた多数の人びとが避難している南部を含め、ガザ全域が爆撃にさらされている。

1週間にわたってガザ地区への無制限な爆撃が続く今、国境なき医師団(MSF)はイスラエル当局に対し、最も基本的な人道性を示すよう求める。

イスラエル軍の爆撃で破壊されたガザの建物  © MSF
イスラエル軍の爆撃で破壊されたガザの建物  © MSF

飲み水の確保を

食料、水、医療へのアクセスが不安定で、すでに人口過密状態にある地域に、ガザ北部にいる110万人近い人びとに数時間以内に移動せよというイスラエル側の要求は、不条理であり、耐え難い。

ガザ南部で飲料水が不足し、住民の苦悩に拍車をかけている事実を、私たちのチームは目の当たりにしている。

MSFは、ガザ地区の人びとのために、飲料水への十分かつ迅速なアクセスを回復するよう緊急に要請する。

安全地帯の設置と避難の保障を

イスラエル当局が布告したガザ北部からの退避要求と避難経路は、期限切れを迎えた。

私たちは、負傷者、病人、医療スタッフなど、移動できない人びとの身の安全を非常に心配している。イスラエル軍当局の発言から見て、こうした人びとが一掃されてしまうのではないかと深く憂慮している。

MSFは、ガザ北部に安全地帯を確保することと、定期的に停戦することを呼びかける。

また、希望者が自宅に帰還する権利を損なうことなく、ラファ検問所からエジプト方面に避難できるようにすることも求める。MSFは、希望するパレスチナ人スタッフが退避できるよう、関係者に求めた。

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