ネパール洪水:国境なき医師団のチームが現地入り 被災者の緊急ニーズ調査を開始

2026年08月28日
Ⓒ Danai Sotiropoulou/MSF
Ⓒ Danai Sotiropoulou/MSF

8月26日、ネパール・ラスワ郡と中国・チベット自治区の国境地域を襲った壊滅的な洪水による被害を受け、国境なき医師団(MSF)のチームがネパールに到着した。チームは緊急対応の経験を持つスタッフで構成され、被災した人びとの緊急ニーズを把握するため、現地で調査を進めている。

広がる被害、被災地では警戒続く

洪水はラスワ郡のティムレ、ラスワガディ、シャブルベシの各地域に急速に押し寄せ、集落や市場、インフラに甚大な被害をもたらした。場所によっては洪水の高さが8〜10メートルに達したとみられている。数百人が死亡したおそれがあり、多くの人びとの行方が今も分かっていない。

洪水はチトワン郡の町ムグリンにも及んだが、その後、水は引き始めている。しかし当局によると、上流で土砂などによって川がせき止められた状態が続いているため、依然として危険性の高い状況が続いている。

ボーテコシ川とトリシュリ川沿いの地域、特にラスワ郡、ヌワコット郡、ダディン郡、ゴルカ郡、チトワン郡には厳重な警戒が呼びかけられている。川沿いに住む人びとには、より安全な場所へ避難するよう勧告が出されている。

当局は被災地で緊急の捜索・救助活動を続けており、保健医療分野における緊急対応も始まっている。

医療機関と連携し、ニーズ調査を進める

MSFのチームは洪水発生から24時間以内にネパールに到着した。現在、現地の医療機関と連携し、MSFが支援できる内容について調査を進めている。長年にわたる緊急対応の経験から、被災地では避難所、救援物資、安全な飲み水や衛生設備へのアクセス、さらには緊急医療や外傷治療への支援が急務になると考えている。

MSFは、被災した人びとへの支援の可能性を検討するとともに、災害の対応を進める当局を支援できるよう、準備を整えている。

ネパールにおけるMSFの活動

MSFは2002年から2009年までネパールで活動。紛争の影響を受けた人びとに基礎医療やリプロダクティブ・ヘルスケア(性と生殖に関する医療)を提供するとともに、水・衛生活動も支援した。2009年、これらの活動を政府機関や開発支援団体に引き継いだ。

2015年のネパール地震の際は、医療援助や心のケア、避難所や食料の提供を実施。2020年には24時間対応のメンタルヘルス相談窓口を通じて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応を支援した。

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