Gaviへの米国の資金停止は最悪なタイミング──国境なき医師団、人道危機下の子どもたちへの予防接種強化を改めて訴え
2025年07月04日

MSFは世界で最も支援が届きにくく、顧みられない地域に暮らす子どもたちに、50年以上にわたり予防接種を行ってきた。そのため、人道援助の現場において、ワクチンの入手と提供を複雑かつ高額にしている障壁や課題の存在を痛感している。
MSFはGaviからの資金提供を受けていないが、各国の保健省と緊密に連携して活動しており、MSFが各国での活動で使用するワクチンの半数以上は、保健省がGaviを通じて調達したものだ。
今回の会合を踏まえ、MSFインターナショナルの医療コーディネーターであるダニエラ・ガローネ医師と、MSF米国グローバルヘルスアドボカシーおよび政策責任者であるミヒル・マンカドが声明を発表した。
MSFインターナショナルの医療コーディネーター、ダニエラ・ガローネ医師の声明
今こそワクチンへのアクセスを強化すべきことは明らか

世界のワクチン未接種の子どもの半数以上が、紛争地、難民キャンプ、医療から切り離された遠隔地など、人道援助を必要とする場所で暮らしていることを考えれば、今こそワクチンへのアクセスを強化すべきことは明らかです。
子どもたちが確実に予防接種を受けられるようにするためには、十分な資金、政治的意思、そして資金拠出者や各国政府の継続的なコミットメントが必要です。
だからこそ、MSFは、Gaviとその理事会メンバーおよび資金拠出者に対し、人道危機の現場で暮らす子どもたちのワクチンへのアクセス改善を、改めて訴えます。少なくとも、5歳以下のすべての子どもが継続的にワクチンを接種できるよう、強く求めます。

MSF米国グローバルヘルスアドボカシーおよび政策責任者、ミヒル・マンカドの声明
予防接種は人道危機下の子どもたちの命綱

米国政府がGaviへの資金提供を打ち切るという決定は世界的に深刻な影響を与えることになります。数えきれないほどの子どもたちが予防可能な病気で命を落とすことになるでしょう。
私たちがこういった場所で予防接種を行うとき、親たちは我が子をこれらの致命的な病気から守ろうと、何時間も列を作って待っています。
彼らにとってGaviの支援を受けるような予防接種プログラムは、文字通り命にかかわる問題なのです。
私たちは米国議会に対し、憲法で定められた権限を行使し、次期予算においてGaviへの支援を継続するよう強く求めます。
