米国が低所得国の子どもたちへの予防接種支援打ち切りを決定 120万人を超える子どもが命を落とす可能性
2025年04月10日
世界中の低所得国の子どもたちに対し、予防接種へのアクセスを向上させることを目的に25年前に設立された「Gaviワクチンアライアンス」(以下、Gavi)。米国政府がこのGaviへの支援を打ち切るという報道を受け、国境なき医師団(MSF)は、この決定が世界中の子どもたちに壊滅的な影響をもたらすことを懸念している。
Gaviワクチンアライアンスは、予防接種率を向上させることにより、子どもの命と人びとの健康を守ることを目的として、2000年にスイスで設立された官民連携パートナーシップだ。低中所得国の政府による予防接種活動を支援するとともに、NGOとも連携して遠隔地など支援が行き届きにくい地域への予防接種もサポートし、ワクチン未接種の子どもを減らす取り組みを続けてきた。
Gaviワクチンアライアンスは、予防接種率を向上させることにより、子どもの命と人びとの健康を守ることを目的として、2000年にスイスで設立された官民連携パートナーシップだ。低中所得国の政府による予防接種活動を支援するとともに、NGOとも連携して遠隔地など支援が行き届きにくい地域への予防接種もサポートし、ワクチン未接種の子どもを減らす取り組みを続けてきた。
紛争地などの子どもへの予防接種が困難に
Gavi設立以来、子どもの定期的な予防接種率は向上しており、過去25年間で約1700万人の子どもの命を守ったと推定されている。
しかし、ニューヨーク・タイムズの報道およびGavi自身の推定によると、米国がGaviへの支援を打ち切ることで、今後5年間で約7500万回分の子どもの定期予防接種ができなくなり、その結果、120万人以上の子どもが命を落とす可能性があるとしている。
MSFは50年以上にわたり、紛争地域、難民キャンプ、医療が届かない農村地域など、世界で最も医療へのアクセスが困難な地域に住む子どもたちに予防接種を行ってきた。今回の決定により、こうした子どもたちが予防接種を受けられなくなるリスクが生じる。
MSFは米国政府やGaviからの資金提供を受けておらず、プログラムの削減や凍結による直接的な影響はない。一方で、MSFが活動で使用するワクチンの半分以上は、各国の保健省から供給されており、Gaviを通じて調達されている。
しかし、ニューヨーク・タイムズの報道およびGavi自身の推定によると、米国がGaviへの支援を打ち切ることで、今後5年間で約7500万回分の子どもの定期予防接種ができなくなり、その結果、120万人以上の子どもが命を落とす可能性があるとしている。
MSFは50年以上にわたり、紛争地域、難民キャンプ、医療が届かない農村地域など、世界で最も医療へのアクセスが困難な地域に住む子どもたちに予防接種を行ってきた。今回の決定により、こうした子どもたちが予防接種を受けられなくなるリスクが生じる。
MSFは米国政府やGaviからの資金提供を受けておらず、プログラムの削減や凍結による直接的な影響はない。一方で、MSFが活動で使用するワクチンの半分以上は、各国の保健省から供給されており、Gaviを通じて調達されている。

MSF米国のプログラム責任者キャリー・タイチャー医師の声明
米国が決定したGaviへの支援打ち切りは、過去25年間に達成された進歩を損なう恐れがあり、世界中のさらに多くの子どもたちが、はしか、肺炎、ジフテリアなど、命を奪う可能性がある一方で予防が可能な疾患に対して、ぜい弱な状態に置かれることになります。
この政治的決定の結果は、壊滅的なものとなるでしょう。
ワクチンは最も重要で、費用対効果の高い医療手段のひとつです。米国はGaviの最大の資金援助国のひとつであり、Gaviの予算の約13パーセントを拠出しています。

この資金援助が途絶えれば、子どもたちが接種できるワクチンが減ることになります。
Gaviへの支援終了は、子どもたちに不必要な苦痛を与え、ワクチン供給をGaviに頼っている世界中の医療体制を弱体化させることになるでしょう。
現状でもすでにあまりにも多くの子どもたちが、定期予防接種を受けられずにいます。 定期予防接種や緊急予防接種の取り組みが頻繁に行われていても、MSFは、例えばナイジェリアでのジフテリアや南スーダンでのはしかなど、予防可能な病気が流行し、子どもが病気にかかるのを見続けてきました。より多くの子どもが予防接種を受けていれば、こうした流行を抑制し、命を守ることもできるのです。
Gaviへの支援終了は、子どもたちに不必要な苦痛を与え、ワクチン供給をGaviに頼っている世界中の医療体制を弱体化させることになるでしょう。
現状でもすでにあまりにも多くの子どもたちが、定期予防接種を受けられずにいます。 定期予防接種や緊急予防接種の取り組みが頻繁に行われていても、MSFは、例えばナイジェリアでのジフテリアや南スーダンでのはしかなど、予防可能な病気が流行し、子どもが病気にかかるのを見続けてきました。より多くの子どもが予防接種を受けていれば、こうした流行を抑制し、命を守ることもできるのです。
予防接種率は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミック下で低迷した後、ようやく回復しつつあります。この重要な時期に予防接種を妨げれば、壊滅的な結果をもたらすでしょう。
さらに悪いことに、米国が国際援助を全般に削減したので、ワクチンで予防可能だった病気にかかる子どもたちは、受けられる医療ケアの選択肢も以前よりも減っていることになります。
Gaviやその他の重要な保健・人道支援への資金援助を全面的に再開することは、単に正しいことであるだけでなく、世界の安定と何百万人もの子どもたちのより健康な未来への投資でもあるのです。
