イラン攻撃からまもなく半年…「停戦中でも受診急増」 上半期だけで8万件超、心のケアも50%増──国境なき医師団
2026年08月03日
米国とイスラエルによる攻撃の激化から間もなく半年となるイランで、難民や移民をはじめ、社会から取り残されている人びとの医療ニーズがかつてないほど高まっている。
国境なき医師団(MSF)は、こうした人びとへの診療を拡大。診療件数は2026年1~6月だけで8万4615件に上った。これは、2025年の年間診療件数の8割に当たる。また、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ、不安症に対する心のケアの件数も50%増えた。
背景にあるのは、医療ニーズの高まりに加え、弱い立場に置かれた人びとが公的医療を受けるうえで直面している障壁だ。
国境なき医師団(MSF)は、こうした人びとへの診療を拡大。診療件数は2026年1~6月だけで8万4615件に上った。これは、2025年の年間診療件数の8割に当たる。また、心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ、不安症に対する心のケアの件数も50%増えた。
背景にあるのは、医療ニーズの高まりに加え、弱い立場に置かれた人びとが公的医療を受けるうえで直面している障壁だ。
停戦中も高まる医療ニーズ
「基礎医療と心のケアの体制を急いで拡充しています」
こう話すのはMSFのイラン活動責任者、グリゴール・シモニャン。イランでは戦闘の激化時だけでなく、停戦期間中にも受診件数は急増し、MSFは活動の拡大を迫られた。
シモニャンはこう説明する。
こう話すのはMSFのイラン活動責任者、グリゴール・シモニャン。イランでは戦闘の激化時だけでなく、停戦期間中にも受診件数は急増し、MSFは活動の拡大を迫られた。
シモニャンはこう説明する。
紛争下では、医療が救急・外傷治療に集中しがちです。しかし、その間も妊婦は妊婦健診、高齢者は非感染性疾患の治療を続ける必要があります。とりわけ、もともと医療を受けることが難しい状況だった人びとにとって、こうした診療は欠かせません。
MSFのイラン活動責任者 グリゴール・シモニャン
3都市で基礎医療と心のケアを提供
今年に入ってから激しい暴力が繰り返されたことで、イランの医療体制は一段とひっ迫している。とりわけ、以前から医療を受けにくかった人びとの間では、基礎医療を継続して受けることがさらに難しくなった。
MSFは2026年1~6月に、首都テヘラン、北東部マシャド、南東部ケルマンの3都市で、計四つの医療援助活動を実施した。
まず、テヘラン南部では、診療所と移動診療を通じて基礎医療を提供。一般診療のほか、心理カウンセリングや精神科診療、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)、C型肝炎の検査と治療を実施した。
MSFは2026年1~6月に、首都テヘラン、北東部マシャド、南東部ケルマンの3都市で、計四つの医療援助活動を実施した。
まず、テヘラン南部では、診療所と移動診療を通じて基礎医療を提供。一般診療のほか、心理カウンセリングや精神科診療、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)、C型肝炎の検査と治療を実施した。
また、アフガニスタンとの国境に近いマシャドでは、診療所と移動診療に加え、政府指定の薬物依存症リハビリテーション施設を訪れ、難民や社会から取り残されている人びとを支援している。
現地チームは、一般診療や心のケア、非感染性疾患の診療、他の医療機関への紹介、地域での健康情報の提供に取り組む。さらに、注射で薬を打つなど、感染リスクの高い人びとに対するC型肝炎の診療もしている。
最近では、診療や心のケアなどをする他の施設にも活動を広げ、特に弱い立場に置かれた人びとを対象に支援している。
そして、南東部のケルマンでは、難民や移民が医療を受けやすくするため、新たな基礎診療所の運営を始めた。一般診療、リプロダクティブ・ヘルス、心のケアのほか、必要に応じて患者を別の病院に紹介している。
イラン各地で支援拡大の準備
MSFは2026年2月、必要に応じて緊急対応を支援できるよう、イラン当局と「緊急事態への備えと対応に関する覚書」を締結した。
医療ニーズの高まりを受け、4月末にはテヘラン南西部で二つ目のプロジェクトを開始。この活動では一般住民への基礎医療に重点を置いている。救急・外傷医療はイラン保健省とイラン赤新月社が担っていた一方、基礎医療や地域保健には手厚い支援が必要とされていた。
MSFは緊急対応の一環として、食料以外の生活必需品キットと医療物資をイラン赤新月社に寄贈。外来診療、小児診療、やけど治療、救急処置室、外科手術用の各医療キットを渡した。
医療ニーズの高まりを受け、4月末にはテヘラン南西部で二つ目のプロジェクトを開始。この活動では一般住民への基礎医療に重点を置いている。救急・外傷医療はイラン保健省とイラン赤新月社が担っていた一方、基礎医療や地域保健には手厚い支援が必要とされていた。
MSFは緊急対応の一環として、食料以外の生活必需品キットと医療物資をイラン赤新月社に寄贈。外来診療、小児診療、やけど治療、救急処置室、外科手術用の各医療キットを渡した。
現在、MSFはホルモズガーン州ミナブで、基礎医療と心のケアを中心とする五つ目の活動を始められるか、現地調査を最終段階まで進めている。テヘランでもさらなる支援の可能性について関係当局と協議を続けている。
MSFは今後も現地当局と緊密に連携しながら、変化する医療ニーズに応じて活動を調整し、必要に応じて規模を拡大していく。
シモニャンはこう強調する。
医療ニーズが深刻さを増し、対応の緊急性が高まっています。社会的に弱い立場の人びとが無料で独立した医療を受けられるよう、私たちはさらに活動を拡大する準備を整えています。
MSFのイラン活動責任者 グリゴール・シモニャン




