イエメン:村の市場に空爆、MSF病院へ多数搬送
2016年03月18日
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人道援助の縮小傾向に懸念
アブスでMSFプロジェクト・コーディネーターを務めるアルバート・スターンは「地域住民は何ヵ月も危険と隣り合わせの生活を送り、大勢が住まいを追われました。そのような人びとを、今回の空爆のような暴力がさらに追い詰めています」と話す。
スターンの指摘どおり、ハッジャ州北部では約1年にわたり戦闘が繰り返され、9万人以上が州南部のアブス郡に避難した。今回の空爆以前からハミス村の診療所はほとんど機能しておらず、地元の医療従事者は爆撃におびえる生活を送っていた。
MSFは2015年4月、複数の国内避難民キャンプで移動診療を開始。周辺地域の避難者1万7000人には、1日あたり合計27万5000リットル以上の給水を行っている。同7月には、アブス地方病院を修復し、病院での活動に着手し、救急外科、産科、小児科、術後ケアを提供している。また、2016年1月には新たな避難者に救援物資キット150組以上を配布した。
避難キャンプには現在も避難者の到着が続いており、援助ニーズの増加は明らかだ。一方、人道援助は縮小傾向にある。イエメンでMSFの活動責任者を務めるフアン・ プリエトはこう訴える。「空爆は今回が初めてではありません。これが最後でもないでしょう。無差別攻撃によって人道援助ニーズが生じ、それは日ごとに拡大しています。人道援助団体は活動を縮小させてはなりません」