スーダン:新たに現場へ向かうスタッフの思い 「どんな状況であっても医療を受けられるように」

2023年05月02日
4月15日以降、国内各地で戦闘が続いているスーダン。国境なき医師団(MSF)は、国内での医療援助活動を継続し、負傷者の治療や医療施設への物資提供を行っている。
 
緊急対応コーディネーターとして、空路スーダンに向かう直前のコンスタンティノス・シカコスが心境を語った。

MSFはスーダンを離れない

私はMSFの緊急対応コーディネーターとして、これからスーダンに向かいます。
 
スーダン国内で戦闘が始まってから、多くのNGOがこの地域を離れ、さまざまな人道援助活動が中断を余儀なくされています。MSFも援助活動とスタッフの安全確保のために、まず現地で自らの援助活動を調整する必要がありました。
 
といっても、MSFはスーダンを離れ、活動をやめるつもりはありません。
 
人びとが医療を受けられない状況に対応するため、現地へ入り、中断した活動は再開し、さらにはそれを拡大することが急務です。
 
いま現地は、住民が医療施設へ行けるか、医療施設が危険にさらされないか、そして、MSFや他の医療者、スーダン人医師らが行う医療活動の安全が守られるか、という大きな課題に直面しています。

どこで活動しても目指すことは同じ

私は出身地であるギリシャで、2017年に現地スタッフとしてMSFの活動に参加し始めました。それ以来、さまざまな地域で活動し、とりわけイエメンでは2年近く活動しています。
 
個人としても仕事としても、スーダンのような紛争地で働くことはこれが初めてではありません。確かに緊張はします。心配もあります。でも、大丈夫です。
 
MSFは、そのような地域でどう活動し、どうすればスーダンの人びとに援助を提供できるのか、ノウハウを持っているからです。
 
どんな状況であっても、人びとが医療施設にアクセスでき、医療を受けられるようにする──。どこで活動しようとも、これが常に私たちが目指すことなのです。

MSFが支援している施設は、西ダルフール州や中央ダルフール州、ゲダレフ州、青ナイル州で患者の治療を継続。北ダルフール州のエル・ファシールにあるMSFの支援先病院は多数の負傷者を受け入れ、24時間体制で負傷者の治療に当たっている。また、首都ハルツームでは医療施設へ物資の提供を行った。

北ダルフール州エル・ファシールの病院=4月19日 Ⓒ MSF/Ali Shukur
北ダルフール州エル・ファシールの病院=4月19日 Ⓒ MSF/Ali Shukur

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